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曖昧に誤魔化しながら笑った小笠原くんだけど、無いことは無いんだなってそれだけで分かった。
すごいや。二人とも私とは生きてる次元が違う。
驚きを通り越して感心している私に気づいたのか、彼が続けて口を開いた。
「俺が声掛けなかったら、Aちゃんもナンパされてたと思うよ」
「え？」
「チラチラ見られてたもん。完全に狙われてたって」
拓弥も不用心だなあ、そう言って笑った海くん。
思わずあたりを見回したけど、そういうふうに見える人なんて全然いなかった。
「予想してあげる」
「え？」
「拓弥、たぶんカルピスとストレートティー買ってくるよ。で、Aちゃんにカルピス渡す」
「……カルピス」
「好きでしょ？」
「え……うん。なんで知ってるの？」
「それはさあ……あ、」
言いかけた小笠原くんが動きを止める。
彼の視線を追いかけると、拓弥くんがこちらへ戻ってくるのが見えた。
「そろそろ行くね。拓弥、戻ってくる」
「あ、うん」
「またね」
ふにゃりと笑って手を振った小笠原くんは、人混みの中へ消えていった。
「はい」
「あ……ありがとう」
差し出されたのは、小笠原くんが予想した通りのカルピスだった。
なんで知ってるんだろう。なんで知ってくれているんだろう。不思議に思いつつ、それを受け取った。
「ねえ」
「うん？」
「……誰かに話し掛けられてなかった？」
「え、ああ……小笠原くん、だよ」
「へ……海？」
「うん」
大きな目をさらに大きく丸くして。驚いた表情を見せた拓弥くん。
彼はそのまま少し考え込むような素振りを見せた。
「……知り合いだっけ？」
「ううん。さっき初めて喋った」
そう。随分自然と話し込んでいたけれど、私と彼が喋ったのはさっきが初めてのことで。
きっと小笠原くんの方が、フレンドリーで話し上手なんだと思う。
人懐っこいあの笑顔が蘇った。
「いい人だね」
「ふふ、うん。いいやつだよ。中学からの友達」
「へえ」
「でも、海には勝てないからダメ」
「え？」
勝つ？ 疑問に思って顔を上げると、ちょっと照れくさそうにしてる拓弥くんがいて。
「あっちに惚れられちゃ困るっていうか」
小さな声で呟いた彼に、笑いながら首を横に振った。
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ちよこ(プロフ) - 草村 みゆさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけると、書いていてよかったなあと思えます(; ;) 嬉しいです(; ;) 気まぐれな更新が続くかと思われますが、今後ともお付き合いくださると嬉しいです！ (2017年10月9日 23時) (
レス) id: 96b79ece7b (このIDを非表示/違反報告)
草村 みゆ(プロフ) - この話すごく好きです！ 続きも楽しみにしてます＼(^o^)／ (2017年10月1日 17時) (レス) id: d19d8cf885 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちよこ | 作成日時：2017年8月16日 19時
