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☆[マーカス]Enveloppe -たまにはもっと甘えてよ- ページ47

今日が特別な日と言う訳では無いけど、
彼女に食べて貰う為のお菓子を作ってデートに持っていく。
マカロンは数あるお菓子の中でも作るのが難しい。
それでもオレは、彼女の笑顔を見る為に作り続ける。
オレが作ったマカロンを食べている時のAの笑顔は、
何物にも替え難い程可愛らしいから。

島に一軒あるカフェのテラス席に、二人で並んで座る。
夕方になると海に沈んでいく太陽がバッチリと拝める席。
今は昼なので、真上で島を照らしている。
『この島にこんな良いお店があったんだね。
ここに住んで長いけど気付かなかったよ。』
「結構前からあったよ。
キミがクエストにかまけてたから気付かなかったんだろ?」
『あはは、そうかもー。』
言った後に拙いと思ったが、すぐに彼女が笑って返してくれた。
「…ねえ。何で最近クエストに呼んでくれないの?」
ずっと思っていた事を訊く。
付き合い始めて一週間程経った頃には、
クエストで顔を合わせる事は無くなってしまっていた。
『えっとね、マーカスを傷付けたくなかったの。』
「ダメージを受けてもすぐ回復出来るのに?」
『それでも嫌なの。
好きな人が辛い思いをしたら私も辛くなるから。』
目の前の窓から見える海を見ながら、Aはそう答える。
窓に映った泣きそうな顔を見て、彼女の手をそっと握る。
今度は隣の彼女がオレの方を見た。
「何だ、そんな事か。」
『何だって何。私本気なんだけど。』
「余計な心配しなくて良いって事だよ、死ぬ訳じゃないし。
大体キミは、全部自分で抱え込み過ぎ。
そんな理由も話せないんじゃ、何の為の彼氏か分かんないじゃん。」
そう言った後に、彼女のそんな心の内に
気付けなかった自分を心の中で悔いた。
『やっぱり優しいね、マーカス。』
「…当たり前だろ、付き合ってるんだからさ。」
言いながら、持ってきたマカロンを渡す。
「ココア来たよ。一緒に食べれば?」
『ありがと。じゃあ頂くね…。』
小振りな袋を開け、中身をサクリと頬張る。
『…美味しい。』
そう零して微笑む彼女は。
「…良かった。」
いつも以上に、とても可愛らしく思えた。

いつでも、どこでだっても良い。
何でも話して、頼って…、オレに甘えてきてよ。
〜〜〜
ずっと書きたかったけどタイミングが無くて書けなかったお話第一弾。

彼は表情に出さない分、誰よりも大切な人の事を
一番に想ってあげられる人だと良いな。
そんな事を思いながら書きました。
ふとした優しさが光るクールキャラ、良いですよね!

☆[スルターナ&サキュバス]貴女らしく笑って→←☆[エルドゥール]Crystal Clear Blue -この物語をしい様に捧ぐ-



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螢羅(K-Ra)(プロフ) - アメジストさん» ありがとうございます!どうぞ他の作品も楽しんで下さい! (2020年1月28日 18時) (レス) id: b7b3ad2127 (このIDを非表示/違反報告)
アメジスト - 完結おめでとうございます!。寂しくなってしまいますが、これからも貴方様の小説を読みます!。アンデルの長編も楽しみにしてます!。それでは、またお愛しましょう!!。 (2020年1月28日 17時) (レス) id: 0a7b322e74 (このIDを非表示/違反報告)
螢羅(K-Ra)(プロフ) - アメジストさん» 応援ありがとうございます!これからも楽しんで書いていきます! (2020年1月15日 19時) (レス) id: b7b3ad2127 (このIDを非表示/違反報告)
アメジスト - メッセージを見ましたが、改めまして、リクエストばかりで申し訳ありませんでした!。そして、自身で書きたいものもたくさんあったにも関わらず、リクエストを、お応えいただき、誠にありがとうございました!。これからもこの小説はもちろん、他の小説も応援してます! (2020年1月15日 19時) (レス) id: 0a7b322e74 (このIDを非表示/違反報告)
アメジスト - そうでしたか!。読んでみます!。 (2020年1月15日 7時) (レス) id: 0a7b322e74 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:螢羅(K-Ra) | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年4月28日 15時

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