☆[ザラ]Strawberry Moon -死んでも良いわ- ※百合注意 ページ34
六月。
他の月と比べて、イベントらしいイベントが特に無い月。
でも、私にとっては特別な月だ。
彼女にとってもそうだと良いな。
彼女の家で同棲を始めて、今日で一年になる。
特別な日を過ごす為に、料理を少しばかり張り切って作った。
テーブルに向かい合わせに座り、それを彼女が先に食べる。
「…美味しいわ。A、上達したわね。」
『本当?ザラにそう言って貰えるのが一番嬉しいよ。』
あまり豪勢な物は好まないだろうとは思ったけど、
特別な日には特別な物が食べたくなる。
『ワインとシャンパン、どっちが良い?』
「シャンパンでお願いするわ。」
赤ワインを片付け、シャンパンのコルクにコルク抜きを充てがう。
少しの力を加えただけで、それにポンと言う音を奏でさせる事ができた。
二人分のグラスにシャンパンを注いで、一つをザラに渡す。
「ありがとう。とても良い匂いだわ。」
『順番が逆になっちゃったけど、私とザラの
運命的な出逢いに乾杯。』
「それだけじゃないでしょう。私とAの
永遠に途切れる事の無い愛に乾杯。」
互いに言葉を紡ぎ合わせた後に、グラス同士を軽く口付けさせた。
二人きりの晩餐の後。
ザラの提案で、家の前で夜風に当たる事にした。
彼女がすぐ近くにいると言う事実とシャンパンの魔力で、
彼女といる空間に酔ってしまったのだ。
「珍しい事もあるわね。」
『ザラのせーだよ。』
「お酒を用意したのは貴女でしょう?」
家の壁を背もたれにして並ぶ。
彼女が私の腰に腕を回して、支えてくれた。
「…見て、あの月。」
『え?わぁ…!真っ赤だね。』
「ブラッドムーンね。
六月のものはストロベリームーンとも呼ばれるわ。」
『美味しそうな名前だね。』
「ストロベリームーンは愛の象徴とも言われているの。
そう言う意味では、私達にぴったりね。
赤い月はどうしても不吉なイメージが
付き纏うけれど、私はそうは思わないわ。」
『私もー。だって私の不吉はザラが取り払ってくれるから。』
「……私は不吉を見る事が出来るけれど、払う事は出来ないわよ?」
『払ってくれてるじゃん。だってザラと
出逢ってからは良い事しか無いもん。』
彼女はほんの少しだけ赤くなった。
月の色が更に濃くなった頃、彼女がふと呟いた。
「月が綺麗ですね。」
私も小声でこう返す。
『−−−−−−−。』
囁き合った後で、二人で笑った。
〜〜〜
同じ方からのもう一つのリクエストである
イレーヌは、後日更新致します。
アメジスト様、もう暫くお待ち下さい!
☆[イレーヌ]貴女に慈愛の御加護を。 ※百合注意→←☆[ドッペルゲンガーアルル&戦乙女ダークアルル]Two for You -どっちを選ぶ?- ※百合&軽度のキャラ崩壊注意
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螢羅(K-Ra)(プロフ) - アメジストさん» ありがとうございます!どうぞ他の作品も楽しんで下さい! (2020年1月28日 18時) (レス) id: b7b3ad2127 (このIDを非表示/違反報告)
アメジスト - 完結おめでとうございます!。寂しくなってしまいますが、これからも貴方様の小説を読みます!。アンデルの長編も楽しみにしてます!。それでは、またお愛しましょう!!。 (2020年1月28日 17時) (レス) id: 0a7b322e74 (このIDを非表示/違反報告)
螢羅(K-Ra)(プロフ) - アメジストさん» 応援ありがとうございます!これからも楽しんで書いていきます! (2020年1月15日 19時) (レス) id: b7b3ad2127 (このIDを非表示/違反報告)
アメジスト - メッセージを見ましたが、改めまして、リクエストばかりで申し訳ありませんでした!。そして、自身で書きたいものもたくさんあったにも関わらず、リクエストを、お応えいただき、誠にありがとうございました!。これからもこの小説はもちろん、他の小説も応援してます! (2020年1月15日 19時) (レス) id: 0a7b322e74 (このIDを非表示/違反報告)
アメジスト - そうでしたか!。読んでみます!。 (2020年1月15日 7時) (レス) id: 0a7b322e74 (このIDを非表示/違反報告)
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