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☆[ギルバート]Pearly Eyes -その想いは潮風に揺れて- ページ27

波音に同調する様に、水色のドレスの裾が舞う。
それが一際大きくなると、反射的に裾を押さえた。
すぐ後に隣に来た彼におずおずと訊く。
『み、見たの…?』
「他の奴らもいるんだ。見てはいないさ。」
『そう、良かった…。
…本当に、私がここにいて良いの?
海賊船には女を乗せてはいけない筈よ。』
「いつの時代の話をしているんだ。
愛する者を乗せてはいけない決まりなど無い。」
彼が少し強引に、私の体に手を回した。

私とギルバートが同じ船に乗って
旅を続けるのには、沢山の時間を要した。
その間にも私達は愛情を深め合っていた。
先に好きになったのはどっちからだったかしら?
「別れの挨拶は済ませたのか?」
『ええ。もう戻らないと伝えたわ。
今頃お城は大変な騒ぎになっているでしょうね。』
「一国の姫を海賊が連れ出すんだ。
城どころじゃなくて国全体が混乱しているな。」
『でも、良いのよ。
許してくれない者達が悪いの。』
「…典型的なお姫さんだな。
まあ、そこも可愛いが。
野郎共!錨を上げろ!
ほら、A姫も!」
『一度言ってみたかったのよね。
帆を張りなさい!出航するわよ!…ふふ。』
ドレスと同じ色の長い髪が、ふわりと大きく波打った。

『…?』
私の意識が、彼との運命の日の記憶から現在に戻される。
そのきっかけとなったのは、やはり彼だった。
「私の見立て通りだな。
似合っているぞ、A姫。」
『…何、これ?』
「今日で私がA姫に惚れてから一年が経つからな。
プレゼントをと思ったのだ。
私が奪い取った宝石箱の中に隠されていたよ。」
頭に乗せられたそれを手に取り、見つめる。
白一色のティアラに、青い真珠が
雫を落とした様に中央に施されている。
「A姫の瞳と同じ色の真珠だ。
<仲間の団結力を高め、勝利や成功に導く。>
これ程A姫にぴったりの宝石は無いな!」
どの様な形であれ、彼の気持ちはとても嬉しい。
そう思う私も海賊に染まってきたのかと思うと更に嬉しくなる。
『ありがとう。とても気に入ったわ。
こんなワガママでも愛してくれるのね。』
「我らはそれ以上のワガママを重ねているぞ!
そうでも無ければ海賊など務まらんからな!」
…ふふ、そうかも知れないわね。
そう答えて、私は彼との未来を見据える様に大海原を見つめた。
〜〜〜
ご希望に添えられていたでしょうか?
毎回リクエストを下さるのは有り難いのですが、
その後のリアクションが無いので不安で…。
リクエストありがとうございました!

☆[インキュバス]不死鳥は夢魔に恋をする→←☆[エルドゥール]Ice Break -無口な彼の本心は。- ※軽度のキャラ崩壊注意



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螢羅(K-Ra)(プロフ) - アメジストさん» ありがとうございます!どうぞ他の作品も楽しんで下さい! (2020年1月28日 18時) (レス) id: b7b3ad2127 (このIDを非表示/違反報告)
アメジスト - 完結おめでとうございます!。寂しくなってしまいますが、これからも貴方様の小説を読みます!。アンデルの長編も楽しみにしてます!。それでは、またお愛しましょう!!。 (2020年1月28日 17時) (レス) id: 0a7b322e74 (このIDを非表示/違反報告)
螢羅(K-Ra)(プロフ) - アメジストさん» 応援ありがとうございます!これからも楽しんで書いていきます! (2020年1月15日 19時) (レス) id: b7b3ad2127 (このIDを非表示/違反報告)
アメジスト - メッセージを見ましたが、改めまして、リクエストばかりで申し訳ありませんでした!。そして、自身で書きたいものもたくさんあったにも関わらず、リクエストを、お応えいただき、誠にありがとうございました!。これからもこの小説はもちろん、他の小説も応援してます! (2020年1月15日 19時) (レス) id: 0a7b322e74 (このIDを非表示/違反報告)
アメジスト - そうでしたか!。読んでみます!。 (2020年1月15日 7時) (レス) id: 0a7b322e74 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:螢羅(K-Ra) | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年4月28日 15時

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