☆[クロード]Dear My Princess ページ17
「…姫、A姫。」
『ん…、あら…?』
いつも通り城の窓から入ってみれば、私の恋人であるA姫が
寝惚け眼を擦りながら私を見てくる。
この様子は…成る程。
少し彼女をからかってやろう。
「まさか、今日の約束を覚えていないと言うのか?」
狼狽え、直後に黙り込んでしまう彼女。
私は顔に微笑を滲ませ、彼女が横たわっている
ベッドに身を移し、覆い被さる様に抱き締める。
時間帯から見れば、淫靡にも見える事だろう。
『クロード様…?何をされますの?』
「私との約束を忘れていたのだろう?
だとすれば、少し仕置きをしなくてはと思ったのだ。」
『そんなつもりはありませんわ…。』
「では何故、今の今まで眠っていたのだ?」
そう尋ねると、また黙ってしまう。
謝って貰おうとは思わないが、このままでは私の気が済まない。
覚悟するのだ、A姫。
その体勢のまま、互いの唇を激しく貪り合う私と姫。
偶に音を鳴らしながら、深くなっていく夜に身を委ねる。
少し気持ちが落ち着いたので、そっと唇を離してやる。
舌を出したまま艶かしくこちらを見る彼女は、いつにも増して美しかった。
ベッドの上でそっと彼女を抱き起こす。
彼女の纏っている桃色のドレスが、月明かりに照らされて煌めきを湛える。
『…ごめんなさい、大切な貴方との約束を忘れてしまって。』
「もう気にしていない。それより、貴女に差し上げたい物がある。」
そう言ってからタキシードのポケットを探り、
見るからに高価と分かる小箱を取り出して彼女に手渡す。
『これは…?』
「開けてみると良い。」
それだけ言うと彼女は恐る恐る小箱を開けた。
『指輪…?』
「貴女の瞳の色と同じ水色の宝石だ。
アイスブルーダイヤ。聞いた事は無いか?」
いいえと答える彼女の頬をそっと掌で撫でる。
「石言葉は<大切な存在となる>。
A姫、私の大切な存在である貴女とずっと共にいたい。
私と結婚してくれ。」
秘めていた心の内を明かし、彼女を見る。
彼女の答えは。
『……受け入れますわ、クロード様。
私をこの城から連れ出して下さいませ。』
この日、ある国の姫が忽然と姿を消した。
彼女がどこにいるのか、そして何をしているのか。
それは、国中の誰も知らないだろう。
〜〜〜
遅れてしまって申し訳ありません。
私の技量では、全てのリクエストを落とし込めませんでした…。
<予告状>を差し込む所が見付かりませんでした。
自分の腕の悪さを痛感しております。
リクエストありがとうございました!
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螢羅(K-Ra)(プロフ) - アメジストさん» ありがとうございます!どうぞ他の作品も楽しんで下さい! (2020年1月28日 18時) (レス) id: b7b3ad2127 (このIDを非表示/違反報告)
アメジスト - 完結おめでとうございます!。寂しくなってしまいますが、これからも貴方様の小説を読みます!。アンデルの長編も楽しみにしてます!。それでは、またお愛しましょう!!。 (2020年1月28日 17時) (レス) id: 0a7b322e74 (このIDを非表示/違反報告)
螢羅(K-Ra)(プロフ) - アメジストさん» 応援ありがとうございます!これからも楽しんで書いていきます! (2020年1月15日 19時) (レス) id: b7b3ad2127 (このIDを非表示/違反報告)
アメジスト - メッセージを見ましたが、改めまして、リクエストばかりで申し訳ありませんでした!。そして、自身で書きたいものもたくさんあったにも関わらず、リクエストを、お応えいただき、誠にありがとうございました!。これからもこの小説はもちろん、他の小説も応援してます! (2020年1月15日 19時) (レス) id: 0a7b322e74 (このIDを非表示/違反報告)
アメジスト - そうでしたか!。読んでみます!。 (2020年1月15日 7時) (レス) id: 0a7b322e74 (このIDを非表示/違反報告)
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