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風が耳を切る。
彼女はゴーグルを上げて、眼下の要塞をじっと見下ろした。
無垢の巨人たちが敵国兵や大砲を撒き散らし、巨人の手から逃れた兵士が項めがけて大砲を発射している。
マーレの巨人戦法はここらじゃ有名で、敵国も策の一つや二つ用意していることはこちらだって了知済み。あくまで無垢の巨人は目くらましに過ぎない。
故に質量爆弾の出力は十分だが、高度が高すぎて半分は落下の衝撃で死んでいる。対巨人野戦砲もまだ機能しているものは多い。
目視で位置と数を把握した彼女は、後から降りてきたジークに横目で合図を送った。
「また壁かよ……」
前方のライナーの呟きが微かに届く。
「壁はもう、うんざりだ」
大きな雷鳴と金色の光が辺りを強く照らす。その光に目を細めながら命令を待つ。
「ルアナちゃん、敵兵と大砲を殲滅しろ」
ジークが叫ぶと、身体の内部がぞくりと疼き、電流が走ったような感覚が巡った。そして——。
「っ…………」
次の瞬間、彼女を軸に巨大な肉体が形成されていった。筋肉質な腕や脚、割れた腹筋が現れ、開かれた瞳は蒼く、金髪が胸の上で揺れる。
女型ほど豊満ではないが、鎧のような男性的な筋肉質というわけでもない。それでも確かに鍛え抜かれ、引き締まった身体だ。
大きな衝撃音と土煙とともに地面が揺れる。
土煙が晴れた先に、鎧、獣、そして金糸の巨人が敵国兵を恐ろしく見下げていた。
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あんこもち(プロフ) - 無名さん» コメントありがとうございます。確かにマーレ急襲時にはスカーフを巻いていませんが、リヴァイはやはり通常時にはスカーフを巻いていることが多いのでそのように表現しております。分かりにくく申し訳ございません。 (11月19日 11時) (
レス) @page35 id: d1838a7b16 (このIDを非表示/違反報告)
無名 - 854年のリヴァイさんは最初の方だけスカーフをしていなかったと思いますが... (11月19日 0時) (レス) @page35 id: 633d257dbd (このIDを非表示/違反報告)
愛 - 最高スギィ！もう毎朝学校行く前に読ませて貰ってます‼︎これからも頑張って下さい応援してます❤️ (5月15日 2時) (レス) id: 0f2e86f85b (このIDを非表示/違反報告)
んご - めっちゃ最高です！更新頑張ってください！！ (2023年4月30日 7時) (レス) @page6 id: 2dc34b573e (このIDを非表示/違反報告)
高橋 - 頑張ってください！ (2023年4月1日 23時) (レス) id: 2973651174 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんこもち
| 作成日時：2023年3月22日 16時
