フェイスペイント ページ22
｢ねぇ、私もそれやってみたい｣
吉良｢あぁ？｣
青い筆を頬に走らせながら目線だけこっちを向かせるヒロト。
｢フェイスペイント｣
吉良｢別にいいけど…急だな｣
｢前から思ってたの。なんて言うか…とにかくかっこいい！｣
私がそう言うとヒロトは満足気な笑顔でバッグからポーチを出した。
ポーチの中から出てきたのは色とりどりのペン。
｢これで書くの？｣
吉良｢あぁ、好きな色選べよ｣
流石は御曹司。いかにも高そうだ。これなら肌荒れ等も心配ないだろう。
たくさんのカラーバリエーションの中、一つの色に目が止まった。
｢綺麗な色…｣
淡いピンク色。桜色と言った方が近いかもしれない。
｢ヒロトもピンクなんて使うんだね。意外｣
吉良｢使ったことねぇよ。カラーセットで買ったから使わない色も入ってんだよ｣
｢あぁ、なるほど。私これにする｣
確かにヒロトにピンクは少しばかり似合わないかもしれない。
吉良｢ん、こっち来い｣
立ち上がったヒロトは自分が座っていた椅子に私を座らせ、さっき私が選んだペンを手に持った。
吉良｢どんな感じにするんだ？｣
｢うーん…あっ、じゃあ右のほっぺに書いて！ヒロトと同じイナズマの絵柄が良い｣
吉良｢良いけど…もっと他のじゃなくて良いのか？女子ならその、ハートとか…｣
私の頬に筆を走らせながらヒロトが言う。
｢確かにハートも可愛いけど…｣
吉良｢けど？｣
｢ヒロトとお揃いがいい｣
吉良｢っ…そうかよ｣
ほんのり頬を染めたヒロト。
釣られて私の頬も染まる。
お互い目を合わすことなく時が進む。
吉良｢…ん。終わったぞ｣
そう言って鏡を渡された。
｢わぁ…！すごい！ヒロトだ！｣
要望通り私の右頬には桜色のイナズマが施されていた。
吉良｢そのペンお前にやるよ｣
｢え？良いの？｣
吉良｢俺が持ってても使わねぇし…“お揃い”なんだろ？｣
｢っ！…もう｣
悪戯っぽく微笑むヒロトは、悪魔に見えた。
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猫 - 神！！！ (2022年12月12日 0時) (
レス) @page23 id: c8a05c94b2 (このIDを非表示/違反報告)
そまみゅ - 初コメしつれいします！ヒロトくんの嫉妬が可愛すぎて悶絶してしまいました(笑)文才エグくないですか？うらやましいです！ (2020年5月18日 15時) (レス) id: 8c9b301781 (このIDを非表示/違反報告)
#KRNK(プロフ) - にゃん子さん» コメントありがとうございます！今はもうピンピンです！！私も応援してくださる皆様が大好きです！！！！ (2019年8月22日 17時) (レス) id: e94b8ae4ca (このIDを非表示/違反報告)
にゃん子 - #KRNKさん» 骨折大丈夫ですか！？はいっ！もちろん！この小説大好きなので！！ (2019年8月12日 20時) (レス) id: 6147d6b294 (このIDを非表示/違反報告)
#KRNK(プロフ) - にゃん子さん» 長い間お待たせして申し訳ありませんでした。これからもこの作品をよろしくお願いします。 (2019年8月5日 23時) (レス) id: e94b8ae4ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：miruna | 作成日時：2019年4月6日 11時
