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『あーん』
「ん、うまい」
『そうだね』
友人オススメの店は雰囲気も味も最高でやはり日本の食は最高だ。特に天ぷらがうまい。
だらしなく緩む頬を抑えることも隠すこともせず呑気に箸を進めていれば、目の前に寿司が差し出されてきたので遠慮なく食べた。マグロ美味しい。
『そういえば、18歳の誕生日プレゼントまだあげてなかったよね。欲しいものある？』
「……あんたが俺だけを見る時間」
『今も見てるよ』
「頭の中は違うだろ」
『分かった。近々スペインに行くよ、もちろんプライベートで』
ならいい、と分かりやすく嬉しそうにする冴の皿に南瓜の天ぷらをﾋｮｲと置いた。嫌いなもん押し付けるんじゃねェという言葉が返ってくるかなと思いきや、流れるように口に運ばれたことで予想と反してその綺麗な唇からは何も発されなかった。
『ふ、』
「……笑うな」
『可愛いと思って』
「うるせェ………」
食事を終えたらジローランの運転する車で家に向かった。道中はタブレットで冴の試合を見ながら指導をする、いつも通りの流れだ。
『ストップ。今のここ、9番じゃなくて14番にパスするべき。マーク甘いからこの子のドリブルテクなら抜ける、で、相手の18番を下がらせる』
「なるほど」
『あ、この後半24分のパスカット ナイス』
もっと褒めろと言わんばかりに肩にのしかかる頭を撫でてやると目を閉じ、やがて呼吸音だけが響くこの時間は意外と好きだ。
「冴ちゃんフライト中ずっとユウェルさんの試合映像見てて、寝てないんです。」
『冴は俺のプレー大好きだからね』
ジローランは「プレーもですけど貴方自身もですよ」とは言えなかった。なぜならルームミラーに余計なことを言うなとばかりに睨むエメラルドグリーンの瞳が映っていたからである。本人にはバレているだろうに、ああほら、彼が面白そうに笑っている。
『そういえば、君の弟の糸師凛も参加してるよ』
「あ゛?」
『寝たふりはもういいの?残念だ』
「今なんつった」
『弟 参加してる』
「アイツには近づくんじゃねぇぞ、半径500メートルがぎり許せる範囲だ」
『場合によっては施設から出ちゃうんだけど』
ジローランはもう一度ミラー越しに、んなの知るかと不機嫌な男を見て、どうどうと宥めつつも楽しそうな彼を見て、前に視線を戻す。
冴ちゃんは貴方といるときは普通の18歳の男の子になるんですよと、マネージャーという立場から口にはしないけれど感謝を。
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ミヒャエル - これ、続きって出ないんですか？この作品が好きでなんでも読んでしまうので早く見てみたいです！ (2023年5月12日 9時) (
レス) id: 75c64eb483 (このIDを非表示/違反報告)
もこ(プロフ) - 初コメ失礼します！私男主の愛され大好物なので嬉しいです！ビーコンレタスもイケマス()ブルロのキャラ全員推しなので嬉しいです！更新頑張ってください！ (2023年4月29日 18時) (レス) @page2 id: 3b02df20c8 (このIDを非表示/違反報告)
花紅柳緑(プロフ) - 天使。さん» ありがとうございます〜!!とっても嬉しいです！！ (2023年3月3日 22時) (レス) id: 53a75dcec8 (このIDを非表示/違反報告)
天使。 - 最高に面白い作品です！！見ててニヤニヤが止まりません！！すごい好きです！！ (2023年3月3日 21時) (レス) @page25 id: 68ee57cead (このIDを非表示/違反報告)
花紅柳緑(プロフ) - レモネードさん» そんなに前から読んでいただけて幸せです😢💓とても素敵なお言葉に感激してしまいました、時間のある限りは沢山の作品を書いていこうと思っているのでこれからもよろしくお願いします (2023年2月4日 22時) (レス) id: 53a75dcec8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花紅柳緑
| 作成日時：2022年12月3日 17時
