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「ノエル・ノア選手はA・ユウェル選手のことをどのように思っていますか?」
ユウェル選手は言わずもがなノア選手が大好きですが…、と、この質問はサッカー記者の間では2人のどちらかにインタビューする時暗黙の了解で、することになっているのだ。
ノエル・ノアは考える素振りを一切見せず、いつもと同じように口を開く。
「俺の人生でもベストの1人だ、ミッドフィールドのポジションじゃアイツが世界最高だ。アイツほどストライカーに"パスが欲しい"と求めさせるパサーはいない。」
「チームも国も違うが、それゆえに戦い点を奪い合うことを嬉しく、誇りに思っている。」
ポーカーフェイスで淡々と答える世界一のストライカーだが、長年彼をインタビューしてきた者達は知っている。ユウェル選手の話をするとき限定で、彼の声が分かりづらく優しくなるのだ。
相変わらず熱い告白はフラれており生涯の唯一にはなれていないが、"ライバル"としては唯一無二の存在なのだ。
「なあノエル、このニュース見てないだろ」
「これから急ぎの用がある、後にしてくれ」
「いやいや、絶対驚くから」
チームメイトに無理矢理押し付けられたスマートフォンを渋々見てみれば衝撃的な文字が並んでいた。
「…………Aが日本に?アイツはベルギーの選手だと言い張ってるだろ。なぜだ、答えろレイヴ」
「俺が知るかよ!!つーか、やっぱ連絡もらってなかったんだな_____って!!殺気を出すな!!!こっちを睨むな!!」
「アイツのマネージャーに連絡を取る」
「急ぎの用があるんじゃなかったのかよ!!!!」
「これは国家レベルの問題だ」
「お前ほんとはAが好きなんじゃねぇの!!?」
「妻を愛してる」
「……Aが不憫でならないな」
珍しく分かりやすく動揺しながらスマートフォンを操作するノエルを見て、レイヴはやはり面白いなと心の中で腹を抱えて笑った。
恋愛的な意味ではないが「相当惚れ込んでいるな」と改めて理解し、次の酒盛りの話題も得られてネットニュースには頭が上がらない。
「日本に行ってくる」
「おい待て 画面を操作した数分で何があった」
ちょっとスーパー行ってくる、の、ノリでAの元へ行こうとする男を腰を必死にホールドし止めなければならないなんて……男にすがり付くなんてこれで最後だ と。これを言うのは通算168回目だという事実を誰か消してくれとレイヴは願った。
その願いは一生叶わないぜと脳内で笑うAの整った顔面にボールを叩き込むのも忘れずに。
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ミヒャエル - これ、続きって出ないんですか?この作品が好きでなんでも読んでしまうので早く見てみたいです! (2023年5月12日 9時) (レス) id: 75c64eb483 (このIDを非表示/違反報告)
もこ(プロフ) - 初コメ失礼します!私男主の愛され大好物なので嬉しいです!ビーコンレタスもイケマス()ブルロのキャラ全員推しなので嬉しいです!更新頑張ってください! (2023年4月29日 18時) (レス) @page2 id: 3b02df20c8 (このIDを非表示/違反報告)
花紅柳緑(プロフ) - 天使。さん» ありがとうございます〜!!とっても嬉しいです!! (2023年3月3日 22時) (レス) id: 53a75dcec8 (このIDを非表示/違反報告)
天使。 - 最高に面白い作品です!!見ててニヤニヤが止まりません!!すごい好きです!! (2023年3月3日 21時) (レス) @page25 id: 68ee57cead (このIDを非表示/違反報告)
花紅柳緑(プロフ) - レモネードさん» そんなに前から読んでいただけて幸せです😢💓とても素敵なお言葉に感激してしまいました、時間のある限りは沢山の作品を書いていこうと思っているのでこれからもよろしくお願いします (2023年2月4日 22時) (レス) id: 53a75dcec8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花紅柳緑 | 作成日時:2022年12月3日 17時