狙うは世界一の妻【ブルーロック】【男主】

#24 ページ28

完全英雄(パーフェクトヒーロー)と呼ばれる最高のストライカー クリス・プリンス。
男はメディアにA・ユウェルについて問われた際、こう話している。


「彼は世界最高のMFだ。彼には全てがある。知性、バランス、左足、右足、どこで彼を止める？ 彼は最高だ。あらゆるチームに入れるし、チームを進化させられる。インクレディブルだ。科学者が実験室で完璧なMFを作るなら、彼らはA・ユウェルを生み出すだろう」

チームでは司令塔と呼ばれ活躍するAの最大の特徴は、"全て"だ。




彼はサッカーをするために生まれてきた人間ではない

彼はサッカーの神様の恋愛相手として生まれてきた人間である


神様は彼に様々な才を贈った。
サッカーIQ、必要な眼と頭、判断能力、キック精度、コントロール技術、パスセンス、シュート力、その他沢山。

サッカーをする者なら誰もが欲し求める才を"身体を鍛えることで"全て捧げられた男、それこそがA・ユウェルであった。

サッカーを初めて３日、小柄で貧弱なAは５分とボールを蹴り続けることができなかった。
子供の体力と言えどあまりにも無さすぎた。

それが彼のプライドに火をつけた。
その日からAは鍛えた、とにかく鍛えまくった。


するとどうだろう、身体が出来上がっていくに比例して様々な才能が顔を出し始めた。
リフティングは体力の続く限り安定し、ドリブルは明らかに人間の子供がなせる所業でなく、シュートは見ている人間が涙を流すほどに綺麗だった。

彼自身も困惑した、特に練習したわけでもないのに"なんでもできる"のだから。全てが思い描いた通りに上手くいく、上手くいきすぎる。ああ、己の才能が怖いとまで思った。

きっと神様はサッカーボールを蹴るAに惚れてしまったのだろう。生まれつき筋肉の付きにくい身体はもうどうしようもないが、その他の才能ならいくらでも付け足せる。だから沢山贈った、恋をする乙女のように沢山の愛情を彼に注いだ。

結果"天才"なんて言葉で表すことが恐ろしい生き物が出来上がってしまった。"神童"と呼ぶ人間が多かったが、果たして彼にぴったりな言葉はこの世に存在するのか。

サッカーの神様に恋された男

A・ユウェルだからこそ恋に落ちてしまったのだろう、全ての人間やそれ以外をも惹き付ける罪深き男。



「略奪愛って燃えるよね」

そう続けたクリス・プリンスは次の日インターネットで燃えた。神と同等の愛情を注がんとするガチ勢の多いことだ。

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