#15 ページ18
公式スピンオフ小説戦いの前、僕らは。の潔世一/ストライカーという生き物。の、内容がメインです。
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床に置かれているカップ焼きそばの入ったレジ袋を躊躇なく蹴り飛ばし、絵心に抱き付きにいくAにアンリは頭を抱えた。
彼は可愛い。が、やることは可愛くないらしい。人は見た目によらないなと頷くには十分の行動をしでかしてくれる。
『絵心。潔世一のここに来る前の動画何本か見せて』
「やはりお前もか。アンリちゃん、県大会予選の映像流して」
「分かりました」
端末を操作しながら、やっぱり疑問だと考える。
絵心さんもAさんも、なぜ"潔世一"に目をつけているのかさっぱりだ。
彼は仲良しチームメイトにすぐパスを出す他人を想うやさしいプレーをする子で、この監獄では299人を蹴散らし最後に残る1人が世界一のストライカーになれるわけで。
求めている人間とは違うはずなのに、論外なのに、なぜ。
映像を見ている間、Aさんは腕を組み、モニターから視線は外さず何やら考えているようだった。
いや、この映像を見てもこの子のダメなところしか映っていなくないか。自分でもさすがに分かる。全然ダメなプレー。確かに周りよりはずば抜けて上手い、けど上手いだけ。
全て見終わると絵心さんが「どうだ」と問う。
お前のお眼鏡にかなったか、という意味だろうか。世界一のMFであり、世界一のFWと結婚することを望んでいる彼にそんな分かりきった質問は失礼じゃないかと。声を上げようと口を開いた時だった。
『うん、最悪で最高』
うっそ。
『プレー視野、空間認識能力、周りと自分の位置を的確に把握する眼とサッカーIQの高さ』
あれ、この言葉 たしか。
『やっぱり俺と同じ眼と脳持ってるよ、現段階のレベルは圧倒的に違うけどね』
「お前に届きそうか」
『うん。まだ、ちゃんと使い方も分かってないみたいだけど。
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「_____その才能の全てをチームのために使うことで、ストライカーとしての可能性を殺してしまった逸材……。」
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あの時の絵心さんと、同じこと言ってる。
『面白いね潔世一。MFに欲しいな』
「渡すわけないだろ。こいつのエゴは青い監獄の宝になる」
『ふは、そうだろうね』
旦那さんに、優しそうでいいよねぇ。と口の端を吊り上げて笑う彼に、ゾッとした。
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ミヒャエル - これ、続きって出ないんですか?この作品が好きでなんでも読んでしまうので早く見てみたいです! (2023年5月12日 9時) (レス) id: 75c64eb483 (このIDを非表示/違反報告)
もこ(プロフ) - 初コメ失礼します!私男主の愛され大好物なので嬉しいです!ビーコンレタスもイケマス()ブルロのキャラ全員推しなので嬉しいです!更新頑張ってください! (2023年4月29日 18時) (レス) @page2 id: 3b02df20c8 (このIDを非表示/違反報告)
花紅柳緑(プロフ) - 天使。さん» ありがとうございます〜!!とっても嬉しいです!! (2023年3月3日 22時) (レス) id: 53a75dcec8 (このIDを非表示/違反報告)
天使。 - 最高に面白い作品です!!見ててニヤニヤが止まりません!!すごい好きです!! (2023年3月3日 21時) (レス) @page25 id: 68ee57cead (このIDを非表示/違反報告)
花紅柳緑(プロフ) - レモネードさん» そんなに前から読んでいただけて幸せです😢💓とても素敵なお言葉に感激してしまいました、時間のある限りは沢山の作品を書いていこうと思っているのでこれからもよろしくお願いします (2023年2月4日 22時) (レス) id: 53a75dcec8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花紅柳緑 | 作成日時:2022年12月3日 17時