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潔世一は困惑していた。
「おーい 聞いてる?」
男性というには可愛らしさ増し増しの、ノア様と一緒によくテレビに映っている顔が、目の前にある。
「いさぎ よいち」
『エッ、ぁ、はいっ』
しまった、緊張のあまり裏返ってしまった。
変に思われただろうかと嫌な汗をかく自分とは対照的に、目の前の彼はにこにこと可愛らしい笑顔を浮かべていて、ドキリと心臓が跳ねた。
『お、俺になんか用ですか……Aさん。』
「聞きたいことがあって」
『聞きたいこと、』
「そう」
「君はなんで最後 パスを出したの?」大きな瞳が逃がさないと言っている。綺麗だ、と、なんで俺この状況でそんなこと考えてるんだと慌てる暇もないぐらいに、その瞳に吸い込まれる。苦しくなって、はッ、と熱のこもった息を吐いた。
そして催眠にかかったみたいに 口が動いた。
『あれは 無意識だったって言うか……ほんとはシュート打とうと思ったけど、体が勝手にパス出してて、』
「無意識……か。」
「_____もしかしたら世一は、」
そこで、Aさんの口は止まった。
考えるようにして顎に手を当て、むむむ、と唸る姿は、やっぱり可愛らしさがあって。
おかしい 俺は女の人が好きだったはずだ。
なのになんでこんな、
「よし、賭けをしよう。」
『かけ?』
「次の試合 君がシュートを決めたら 俺とサッカーしよう」
『……は!!?』
「まぁ、俺がパスを出してそれを世一がゴールに入れるっていう、シュート練習なんだけど。どう?」
世界一のMFの"パス"
個人的な練習
話せるチャンス
この一次選考で生き残る為のヒントが得られるかもしれない。
悔しいがさっきの試合で出したパスが、この状況を生み出した。なら、利用してやるしかないんじゃないか。
少しでも世界一のストライカーに近づけるなら。
『乗った、その賭け。』
「ちなみにゴール決められなかったら、どうなるか分かるよね?」
『……どう、なるんですか。』
「南瓜の煮物を口に突っ込む」
『は、い?』
もしかすると A・ユウェルはピッチ以外では、バカなのかもしれない。
ピッチでは天才 日常ではバカ その名もA、と、彼のチームメイトがふざけ答えていたインタビューを思い出す。あれ、事実だったのかよ。
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花紅さんの推しは誰ですか>ネスくんです、個人情報開示を求む。
好きなチームやペアを教えてください>士道くん×冴くん。
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ミヒャエル - これ、続きって出ないんですか?この作品が好きでなんでも読んでしまうので早く見てみたいです! (2023年5月12日 9時) (レス) id: 75c64eb483 (このIDを非表示/違反報告)
もこ(プロフ) - 初コメ失礼します!私男主の愛され大好物なので嬉しいです!ビーコンレタスもイケマス()ブルロのキャラ全員推しなので嬉しいです!更新頑張ってください! (2023年4月29日 18時) (レス) @page2 id: 3b02df20c8 (このIDを非表示/違反報告)
花紅柳緑(プロフ) - 天使。さん» ありがとうございます〜!!とっても嬉しいです!! (2023年3月3日 22時) (レス) id: 53a75dcec8 (このIDを非表示/違反報告)
天使。 - 最高に面白い作品です!!見ててニヤニヤが止まりません!!すごい好きです!! (2023年3月3日 21時) (レス) @page25 id: 68ee57cead (このIDを非表示/違反報告)
花紅柳緑(プロフ) - レモネードさん» そんなに前から読んでいただけて幸せです😢💓とても素敵なお言葉に感激してしまいました、時間のある限りは沢山の作品を書いていこうと思っているのでこれからもよろしくお願いします (2023年2月4日 22時) (レス) id: 53a75dcec8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花紅柳緑 | 作成日時:2022年12月3日 17時