酔った彼氏の本音【鬼滅の刃】【短編集】

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「無一郎、これは誤解で」
「そんなの、知ってるけど」


「そうなの、炭治郎とは討論してただけで…って

え、知ってるって何が？」





「炭治郎が人の彼女寝取るとか出来なさそうだし、ただ話してるだけってのは知ってるけど」






不思議そうに首を傾げる無一郎






「じゃあ、何に怒ってるの…？」





その問いに、無一郎は言うのが辛そうに顔を歪めてしぶしぶ口を開く






「…、炭治郎と手握ってた」
「手、握手のこと？」



「僕だって、最近Aと手繋いでないのに、なんで炭治郎ばっか…」





もしかしてこれは、嫉妬では無いだろうか

いつも天然ですぐに人を煽って怒らせる無一郎が嫉妬している事実が可愛い





「ごめん、そういえば最近忙しくて、無一郎と一緒に過ごす時間あんまり無かったね。」





私は無一郎の手を握ってブンブンと振り回す




「ほら、久しぶりの私の手だよ」
「…」


「あれ、まだ何か不満が？」
「手だけじゃ炭治郎と一緒じゃん」




「んっ」と無一郎はこちらに両手を広げる

それが抱擁を求めているのだと理解し、私はそれに答えて無一郎を抱きしめた






「無一郎、満足？」
「うんっ」




ふと見えた無一郎の顔がはにかむような笑みで、私の胸はドキドキした

こんなに気が緩んでる無一郎は初めて見たが、これが酒の力なのかと改めて感謝をした






「あーあ、こんな可愛い無一郎に忘れられるのが怖いよ」

「なにいってんの？」


「無一郎の忘れ物が多すぎて私まで忘れられちゃうかなっておもってさ」



「冗談だよ」と言おうとするが、無一郎がじっとこちらを見つめていて。それを封じ込めた





「俺がAのこと忘れるなんて有り得ない」




「それに…」と言葉を続けながら、私の髪の毛を弄る




「Aだって、俺のこと忘れられるわけないでしょ？」

「ぁ…、んぅ」





首筋をなぞるように舐められる






「ねぇ、A」
「な、なに」



「僕の名前呼んで」
「む、むいちろー」


「もっと、」
「むいちろう」



「ふふっ」と笑うから、先程までの緊迫した雰囲気が消えてしまった






「もう一回ぎゅってして？」





ご要望通りにもう一度抱きしめる

「えへへ」と幸せな音を漏らしながら、いつもより甘えん坊の無一郎はそのまま寝るまで離れなかった



忘れ物はなくならなかったが、私の悩み事は消えてなくなった。



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甘露寺蜜璃ー酒癖が悪い→←時透無一郎ー甘えん坊将軍

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