雪 の 奇 跡 〜好きだよ。と伝えたい〜３

１１７ ページ18

「すいません...紙ナプキンか何か拭く物ありますか？」

店員「はい、どうぞー」

「すいません、ありがとうございます。」




そう言って 紙ナプキンを貰って

辰輝の所に戻ると……




「え？！」




そこには辰輝の姿は無くて

さっきまで食べていたクレープが椅子に置いてあっただけだった。




……...うそ？

え……


なんで？


少しだけ 目を離しただけだったのに……




周りを見渡したがどこにも辰輝の姿はいない。




一気に不安に襲われた。




急いで 案内所に向かって放送を流してもらった。




土曜日の遊園地は家族連れでごった返していて

なかなか見つからない。




もう……。

何やってんのよ。私。




不安になりながらも遊園地を走り回って辰輝の姿を探す。




「ハァハァハァ...辰輝……どこー...」





しばらく探し回っても見つからなかったその時...



辰輝「ママ!!」




辰輝の声が聞こえて振り返ると

紫の風船を持った辰輝の姿ー...




「辰輝!!」



辰輝のそばに駆け寄る。



「もう!!動いちゃダメって言ったでしょ！！」

辰輝「あ……ごめんなさい……」




そう小さくなる辰輝。



「…もう絶対ママから離れちゃダメだからね!!」

辰輝「……はい...」




そう言った時ー...





？「そんな怒らないであげて。」




上から声が聞こえきた。


よく観ると辰輝の手は誰かと繋がれている。




「……？？」




ゆっくり立ち上がり その人の顔を観ると...





「！！！！！」

？「久しぶり。Aちゃん」

「……え...あ、照くん？」

岩「うん。」




そこには マスクをして帽子を深く被った照くんの姿が。

１１８→←１１６

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す