初恋の味はとても辛くて 2 (ページ36)

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｢ちょっと…まって…ください…｣

なにそれ。そんなの聞いてない。

どうして?

父｢もう決定したことだ。今更変えるなんてできない。｣

なんなの?あと一年半じゃない。

それもどうしてこんなところで?

ああ、そうか。ここ“だから”か

私が反論できないようにか。

だって飛貴くんたちがいるもんね。

困らせちゃうもんね。

飛父｢それはまた思い切った行動ですな。
まあ確かに、庶民の学校にいると色々物騒なことも多いと聞きますしね。｣

飛母｢花の宮学園はいいところですわね。本当に快適に過ごせるので、Aさんも気に入ると思いますよ。｣

浮所家はみんな賛成していた。

たった1人を除いて。

飛｢Aさんは本当にそれでいいのですか?｣

飛貴くんだ。

どうせ今更どう足掻いたってこの事実は変えられない。

お父様は一度決めたら二度と意見を変えない人だ。

｢もう…いいんです。｣

私が言うと飛貴くんは呆れたような、諦めたような顔をして言った。

飛｢そうですか。なら、そのことをいちばん伝えなきゃいけない人がいますよね。｣

廉のことだ。

飛｢その人とちゃんと話をしてから転校すべきだと思います。このまま中途半端に終わらせるつもりですか？｣

飛貴くんの言っていることは、とてもよく胸にしみる。

｢そうですね。ちゃんと伝えます。｣

私はそう答えた。

父｢さっきから何の話をしているんだ?｣

痺れを切らしたようで、父が聞く。

飛｢いえ。ただの世間話です。｣

飛貴くんは笑顔で答えた。