17話 ページ18
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『……お見合い、ですか?』
「えぇ、そうよ」
「Aに添い告げたいという親切な男性がいらしてな」
『そして私がその男性に会う……ということでよろしいですか?』
「飲み込みが早くて助かるわ」
「勿論、行ってくれるよな?」
出来ればいきたくない。
狗巻先輩を裏切るみたいで、何だか嫌。
でも、やっぱりまた。
私に拒否権など存在しないのである。
『……、勿論です、母さん、父さん。
詳細を教えてもらっても?』
「もちろん教えるわ。
当日は2週間後よ。
貴方が学校に戻って1週間後くらいになるわね」
「相手は俺たちの親戚で、
とても気品のある男性だ」
『……とっても、楽しみです。
場所や時刻などは?』
「場所は菅宮ホテル最上階よ」
「時間は午前11時〜1時」
2時間もあるのかよ、……。
『……分かりました、それで詳細は全て聞いた、ということでよろしいですか?』
「えぇ、これで全部よ」
「呼び出してすまなかったね、もう戻っていいよ、おやすみ」
「ゆっくり眠りなさい、おやすみなさい」
『……、はい、おやすみなさい』
嫌だ。
助けて。
こんな暮らしなんてやりたくない。
疲れた。
なんて言うわがままを心に閉じ込めて、私はまた好まない部屋へと入った。
・
・
「おっ、Aッ、久しぶり!」
あれから1週間程実家に戻り、
私は直ぐに学校へと帰ってきた。
私の家に居場所なんてない。
そう感じるのが嫌で、私はそそくさと家を出た。
「おかえりなさい、遅かったのね、」
『……ちょっと。ね』
「顔色悪いぞ、何かあったのか」
私の気分が最悪なことに気付いてくれた恵。
恵の言葉に悠二と野薔薇も気を使ってくれた。
「あー、家で何かあったのかー、……」
「私たちにも少しは話しなさいよ?」
『……ありがと、じゃあ、聞いてもらってもいい?』
私は全て話した。
自分の家が、苗字が嫌いな事。
父さんと母さんに従うのも疲れたこと。
家での居場所がないこと。
自分の家柄に好むことなんてないこと。
そして、お見合いの話が入ったこと。
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椎茸の花(プロフ) - 神無月さん» え、ありがとうッ!!(((殴 (2021年2月17日 17時) (レス) id: 55f7429373 (このIDを非表示/違反報告)
神無月(プロフ) - 好きです!!!!(( (2021年2月16日 20時) (レス) id: 27e0c87bdc (このIDを非表示/違反報告)
椎茸の花(プロフ) - easy R!!さん» 乙骨君良いですよね〜、私も大好きです(●´▽`●)分かりました! (2021年2月16日 7時) (レス) id: 55f7429373 (このIDを非表示/違反報告)
椎茸の花(プロフ) - アップル姫さん» キュンがギュンですかww分かりました、棘君ですね!棘君は神ですよね(*`艸´)ニシシ (2021年2月16日 7時) (レス) id: 55f7429373 (このIDを非表示/違反報告)
easy R!!(プロフ) - えっと個人的に乙骨先輩が推しなので、甘々な感じの日常を書いて欲しいです! (2021年2月15日 22時) (レス) id: 1f230199f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:椎茸の花 x他1人 | 作成日時:2021年2月7日 10時