Ep.50 ページ6
「あの、さっきは助けてくれてありがとうございました!警察の方だったんですね」
「いえいえ、無事で何よりでした!」
太い眉毛の男性は、豪快に笑った。この人は絶対にいい警察官になれるな、と私は確信する。だって安心感がすごいもの。
「君、もしかして例の松田と萩原の幼馴染みか?」
「例の、かはわかりませんが………はい、幼馴染みの宮下Aです」
「なるほど………同期の降谷零だ。君の話は二人から聞いていたよ」
どんな話かはよく分からないが、なんだか私の存在は知られていたらしい。どんな話されてたの。こわい。
降谷零と名乗ったその人は、金髪褐色の男性だった。警察ということは、おそらく地毛か。外国の血が入っているんだろう。
そしてまた、私は気づいた。
「あ!そうだ、私も聞いてました!陣平くんと初日から殴り合いの喧嘩をしたっていうゼロさん!」
「松田お前な………」
そうだ、そうだ。思い出した。
ちょっと用事があって、電話をした時に聞いたのだ。近況を聞いたら、初日から殴り合いの喧嘩の話。相手はどんな人なのかと思っていたら。なるほど、零だから、ゼロ。
見た目からは想像もつかないが、めちゃくちゃ真面目な堅物なんじゃないか、と私は思った。人質に取られた後の対処も的確で迅速だったし、なんか、良い子ちゃん、みたいな感じが尺に触ったとかで二人は喧嘩になったんじゃなかろうか。いやでもいい子ちゃんだったら喧嘩はしないか……?
まぁでも、すくなくともチャランポン目隠しの私の同期とは大違いであろう。だってこの人警官である。
太い眉毛の男性と、黒髪の二枚目さんは伊達ワタル、諸伏景光だと言った。
降谷さんと陣平くんが何やら言い争いを始めたらしく、その仲裁を始めた研二くんを見ていると、なんだかこの二人がこの集団の中では一番穏やかなのではないかと思われる。頼りにしたい警察官トップツー。
諸伏さんが降谷さんを止めに行った。伊達さんによれば彼ら二人は幼馴染みらしい。あぁ、そういえば、あだ名で呼び合っていたな、と私は思い出す。
「もう遅いから早く帰った方がいいぞ?」と伊達さんに言われて、私は思い出した。ヤバ、五条くん待たせてるじゃん。伊地知くんが被害に遭っている気しかしない。
「今日は本当にありがとうございました」と再度深くお辞儀をして、私はその場を去ったのだった。
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やなり(プロフ) - トマトまとさん» 温かいお言葉をありがとうございます!(T-T) 拙作を好きだと言っていただけて本当にうれしいですし、トマトまと様をときめかせることができたようで良かったです(*^ω^*) こちらこそ、最後まで読んでいただきありがとうございました! (2022年12月13日 14時) (レス) @page28 id: 38128c49d7 (このIDを非表示/違反報告)
トマトまと(プロフ) - 完結おめでとうございます!!!最終話を読んで、裏設定を読んで、更にこの作品が好きになりました。愛っていいなぁと思うお話で、キュンキュンしながら読ませていただきました。素敵な作品を読ませていただき、ありがとうございました! (2022年12月11日 13時) (レス) id: 1d9d2ab89b (このIDを非表示/違反報告)
やなり(プロフ) - 愛実さん» お待たせしました!!最終話を更新いたしました。楽しんでいただけたらうれしいですm(_ _)m (2022年12月11日 11時) (レス) id: 38128c49d7 (このIDを非表示/違反報告)
やなり(プロフ) - そらさん» ありがとうございます!大変遅らせながら、最終話を更新しました。楽しんでいただけたらうれしいです(*´꒳`*) (2022年12月11日 11時) (レス) id: 38128c49d7 (このIDを非表示/違反報告)
愛実 - めちゃ続き気になる…、!!!更新待ってます!!無理しない程度で頑張ってくださいッ! (2022年10月6日 18時) (レス) @page23 id: e769ed5532 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:やなり | 作成日時:2022年8月4日 14時