Ep.48 ページ4
………てことは。
もしかしたら、ここに。
「まあ、班長の親父さんがやろうとした事をやったまで……そうだよな?
「ああ!」
いた。
一応店内にいた人は、後日事情聴取を受けることになった。今日は遅いので、もう帰っていいらしい。店外に出て、周りをぐるりと見渡す。その時見つけた背中に向かって、私は声をかけた。
「陣平くん!」
その人は………陣平くんは、まさか、という表情を浮かべて振り返ると、目を丸くして私を見た。
「おま……なんでここにいるんだよ」
「さっきまで人質にされてたよ」
「いたのかよ………マジか」
「陣平くんが研二くんみたいな服着てるなんて珍しいよね!写真撮っとこー」
「おいヤメロ」
携帯を掴まれた。貴重な姿だから残したかったんだけど。
私は渋々携帯を懐にしまう。
そんな茶番をしていると、私に気づいたらしいもう一人の幼馴染みの声が聞こえた。
「お、Aちゃんじゃん!久しぶりだなー」
「久しぶり、研二くん」
「なぁんだ、陣平ちゃんがまたナンパされてんのかと思ったぜ」
「んなわけねぇだろ」
「こんなに人相が悪ければねぇ」
「おいA」
「いはいれす(痛いです)。ふぉへんなはい(ごめんなさい)」
頭を拳でグリグリやられた。正式名称を知らないのだが伝わるだろうか、アレである。拳で頭をはさんでグリグリ捻る………い、痛い。
ギブアップの意味を込めてペシペシ腕を叩く。痛い、痛い!マジメに痛いよ!?
ペチペチという可愛らしいSOSが段々激しくなってきたあたりで、可哀想だと思ったのか、笑っていた研二くんが話題を変えてくれた。
「ところでさ、後ろから来てるの、Aちゃんのカレシ?」
「え?カレシ?」
いや、カレシなんて生まれてこの方いた事ないんデスケド、研二くんと違って。
一体誰が私のカレシ(勘違い)だ、と後ろを振り向く。
…………後ろから歩いてきているの、五条君なんだが。
「Aー、伊地知が待ってるんだけど。話早く終わらせてくんない?」
「五条くん……」
「………僕何もしてないよ?そんな目で見られる理由ないんだけど」
「存在自体が……」
「どいひ」
ガクリ、と首を垂れる。このクズと恋仲だと勘違いされるだなんて、そんなに不名誉なことはない。早々に弁明せねば。
そう思って後ろを振り向いて、私は少し固まった。
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やなり(プロフ) - トマトまとさん» 温かいお言葉をありがとうございます!(T-T) 拙作を好きだと言っていただけて本当にうれしいですし、トマトまと様をときめかせることができたようで良かったです(*^ω^*) こちらこそ、最後まで読んでいただきありがとうございました! (2022年12月13日 14時) (レス) @page28 id: 38128c49d7 (このIDを非表示/違反報告)
トマトまと(プロフ) - 完結おめでとうございます!!!最終話を読んで、裏設定を読んで、更にこの作品が好きになりました。愛っていいなぁと思うお話で、キュンキュンしながら読ませていただきました。素敵な作品を読ませていただき、ありがとうございました! (2022年12月11日 13時) (レス) id: 1d9d2ab89b (このIDを非表示/違反報告)
やなり(プロフ) - 愛実さん» お待たせしました!!最終話を更新いたしました。楽しんでいただけたらうれしいですm(_ _)m (2022年12月11日 11時) (レス) id: 38128c49d7 (このIDを非表示/違反報告)
やなり(プロフ) - そらさん» ありがとうございます!大変遅らせながら、最終話を更新しました。楽しんでいただけたらうれしいです(*´꒳`*) (2022年12月11日 11時) (レス) id: 38128c49d7 (このIDを非表示/違反報告)
愛実 - めちゃ続き気になる…、!!!更新待ってます!!無理しない程度で頑張ってくださいッ! (2022年10月6日 18時) (レス) @page23 id: e769ed5532 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:やなり | 作成日時:2022年8月4日 14時