Ep.47 ページ3
この人拘束バンドどうやって外したんだ…………?
そう混乱している間に、すぐ手の拘束は解かれて、口も自由になった。
「あ、ありがとうございます!」
「他の人のものも解いてやってくれ!」
「は、はい!」
男の人は他の人の拘束を解きにいった。ポカンとしていると、隣からツンツンと肘で突かれる。
五条君だった。
はいはい、解けってことね。
私は彼の手首を掴んだ。
結論から言うと、私たちは全員無傷で助かった。
強盗犯が顔を隠していない、つまり、人質は皆殺しにされる説でついさっきまで絶望していたのだが、なんだかやけにリーダーシップがある男性二人がなんとか助けを呼んでくれたっぽい。
外が騒がしくなったなと思ったら、扉がバンと開いて、若い男性が「待たせたな、
扉と男性の隙間から店内を覗いたら、強盗犯が取り押さえられていた。
この時点で私の頭は「助かった、のか?」と既に混乱していたのだが、次に近くにいた金髪色黒の男性の言葉で、さらに混乱の窮地に追いやられることになる。
「なるほど、警察学校の学生に客を装わせてここに集結させたのか………」
「こりゃ、また明日鬼塚教官に大目玉だな……」
……………警察学校?
……いくら強盗犯の数が多いからと言って、まだ警察官の卵である学生が、正式に事件に派遣されるなんて、そうそうないはずだ。
一刻も早い解決を求める事件で、遠くにいる警察学校生をわざわざ呼び寄せるなんてことは、しないはず。
ということは、おそらくこのコンビニは、警察学校の近く。
―――警視庁警察学校。
その七文字が、脳裏をよぎる。
「警察!?陣平くんと研二くんが!?」
「あぁ、そうだけど、なんか文句あるかよ」
「えぇ、いや?千速ちゃんに憧れたの?」
「ちげぇよ。
「じゃあなんで警官?」
「決まってんだろ。警視総監をぶん殴りてぇからだよ!」
「…………何が決まってるのか良くわかんないけど、うん、まぁ、処分下されて辞職とかに追い込まれないようにね……?」
「オマエな……」
数ヶ月前、陣平くんと交わした話を、私は突然に思い出した。
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やなり(プロフ) - トマトまとさん» 温かいお言葉をありがとうございます!(T-T) 拙作を好きだと言っていただけて本当にうれしいですし、トマトまと様をときめかせることができたようで良かったです(*^ω^*) こちらこそ、最後まで読んでいただきありがとうございました! (2022年12月13日 14時) (レス) @page28 id: 38128c49d7 (このIDを非表示/違反報告)
トマトまと(プロフ) - 完結おめでとうございます!!!最終話を読んで、裏設定を読んで、更にこの作品が好きになりました。愛っていいなぁと思うお話で、キュンキュンしながら読ませていただきました。素敵な作品を読ませていただき、ありがとうございました! (2022年12月11日 13時) (レス) id: 1d9d2ab89b (このIDを非表示/違反報告)
やなり(プロフ) - 愛実さん» お待たせしました!!最終話を更新いたしました。楽しんでいただけたらうれしいですm(_ _)m (2022年12月11日 11時) (レス) id: 38128c49d7 (このIDを非表示/違反報告)
やなり(プロフ) - そらさん» ありがとうございます!大変遅らせながら、最終話を更新しました。楽しんでいただけたらうれしいです(*´꒳`*) (2022年12月11日 11時) (レス) id: 38128c49d7 (このIDを非表示/違反報告)
愛実 - めちゃ続き気になる…、!!!更新待ってます!!無理しない程度で頑張ってくださいッ! (2022年10月6日 18時) (レス) @page23 id: e769ed5532 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:やなり | 作成日時:2022年8月4日 14時