Ep.46 ページ2
「………五条くん、それ全部食べるの?」
「お願いします五条様って言うならAにもあげてもいいけどー」
「あーいらないんで結構ですぅ」
コンビニのスイーツコーナーで、五条くんによってカゴに詰め込まれてゆくスイーツ達を見て、頬を引き摺らせた、その時だった。
――――ダァン!!!
キャァアア!!と店内に甲高い悲鳴が響き渡って、私は肩を跳ねさせた。入り口の方で何かあったようだ。
と、冷静に分析できたのはここまでだった。人が店の奥まで一気に押し寄せてきたのだ。
え、ちょっと待って……!?
さっきの、まさか銃声?
「ご、五条くんこっち!」
「えー、Aなに焦ってんの?」
「呑気にスイーツ選んでないで時と場合を弁えろ!」
「なんでそんなピリピリしてんの、生理?」
「しばくぞ!!」
未だ五条くんはスイーツ売り場に座り込んでいる。混沌とした店内に、場違いにも程がある呑気な彼の襟首をガシリと掴んで引き摺った。
くっそ重いんだけど………っ動け!!
「ちょっとA、やめてよ首閉まるんだけど」
「オートの無限で無効でしょうが!」
このまま殺されるんじゃないだろうか。
死んだ目で妙に冷静な思考をした。
店員もグルの強盗犯。携帯を没収されて、隣でガタイのいい太い眉毛の男性が頭を叩かれて、緊張マックスである。死んだ顔をしている間に、いつのまにか両手首は縛られて、口をガムテで塞がれて、バックヤードにみんなで押し込められていた。
………信じらんない。ちょっとコンビニに寄ろうと思っただけなのに。
私、死ねなら呪霊に殺されるんだろうと思ってたんだけど、うーん、人生とはわからないものである。
隣の五条くんを肘で突く。どうしよう、と目で問いかけるが、軽く肩をすくめるだけ。ダメだ当てにならん。
君は無限があるから心臓に弾を撃たれても死なないけど!私とか普通にしんじゃうのよ!!わかる?!
全力で訴えたいのだが、口を塞がれていて口が開けない。拘束だけでもなんとかならないだろうかと考えていたら、急に手首に誰かの人の手が触れたのがわかった。
「ん、んん??」
「待ってろ、すぐ解いてやるからな」
さっき強盗犯に頭叩かれてた眉毛が太い男性が後ろにいた。
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やなり(プロフ) - トマトまとさん» 温かいお言葉をありがとうございます!(T-T) 拙作を好きだと言っていただけて本当にうれしいですし、トマトまと様をときめかせることができたようで良かったです(*^ω^*) こちらこそ、最後まで読んでいただきありがとうございました! (2022年12月13日 14時) (レス) @page28 id: 38128c49d7 (このIDを非表示/違反報告)
トマトまと(プロフ) - 完結おめでとうございます!!!最終話を読んで、裏設定を読んで、更にこの作品が好きになりました。愛っていいなぁと思うお話で、キュンキュンしながら読ませていただきました。素敵な作品を読ませていただき、ありがとうございました! (2022年12月11日 13時) (レス) id: 1d9d2ab89b (このIDを非表示/違反報告)
やなり(プロフ) - 愛実さん» お待たせしました!!最終話を更新いたしました。楽しんでいただけたらうれしいですm(_ _)m (2022年12月11日 11時) (レス) id: 38128c49d7 (このIDを非表示/違反報告)
やなり(プロフ) - そらさん» ありがとうございます!大変遅らせながら、最終話を更新しました。楽しんでいただけたらうれしいです(*´꒳`*) (2022年12月11日 11時) (レス) id: 38128c49d7 (このIDを非表示/違反報告)
愛実 - めちゃ続き気になる…、!!!更新待ってます!!無理しない程度で頑張ってくださいッ! (2022年10月6日 18時) (レス) @page23 id: e769ed5532 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:やなり | 作成日時:2022年8月4日 14時