こ の 世 界 で 【 キ リ ト 】 ページ1
あのデスゲームから解放されて早数年、
あのゲームで出会ったAとオフで会う。
いや、容姿そのものがゲーム内での姿と一緒だから見つけやすいとは思うんだけど…。
人、多すぎないか…?
「どこに居るんだよ…。」
と見渡していると、
「ふっふーん、誰でしょーか!」
と後ろからタックルを喰らった。
「こんなことすんのはお前しかいないだろ、A。」
「なーんだ、わかんのかー。キリの字よぉー。」
「おい、クラインの真似は辞めとけ。運気が逃げるぞ。」
「クラインはそんな奴じゃない。…と、信じてる。」
クラインのことは悪く言わないのか。
あの頃はよく、「この野郎。」だの、「煩い。」だの、「黙れ。」だの言われてたっけ。
なんか、むかつく。
「どぉーしんだねぇー?そんなお固い顔しちゃってさー。」
「お前の所為だよ、この馬鹿が。」
「ちょ、馬鹿はないんじゃなくて!?」
「あぁもう!」
なんか調子狂う!!
それもこれもAの所為で…!
ん…?いやいや、何でだ?
「ちょっとー?クラインは私をこんな暇にさせないんだけどー?キリトさーん?桐ケ谷さーん?」
さっきからクラインのことばっかか…。
俺が居る前で、クライン、ねぇ…?
俺、Aのこと好きなのか。
「あぁ、合点がいった。」
俺は嫉妬してたんだな。
「何が?」
「俺がお前好きってこと。」
「はぁ!?」
「そういうことだから、覚悟しろよ?
ぜってぇ攻略してやっから!」
「…期待、しとく。」
そう言ったAは赤くなって俯いた。
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作者名:藍 乃 | 作成日時:2014年8月6日 15時