狼青年にはご注意を。2

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あ｢……早く、解放していいよ？｣









彼の苦しみを理解することは出来ない
だからこそ、早く解放してあげたい
自由な人生を歩んでほしい









あ｢過去に囚われる必要なんてない。｣







涼｢A………っ。｣









彼は立ち上がって、
私の目の前へ、しゃがみこむように座った









前髪の奥で光った瞳は、
少し揺れている

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あ｢私は、この手紙に書いてある真実を暴きに行く。｣





涼｢…でもまだっ…｣





あ｢危険なのは分かってる。｣





涼｢………………………｣





あ｢でもあなたは記憶が消されてるの、真実を知るには聞きに行くしかないの。｣

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あ｢少しでも、分かることがあるかもしれない。｣





涼｢………………………｣





あ｢私は…みんなに幸せになってほしい。｣









―――――………幸せに…してあげて？









お姉ちゃんの願いだから、
お姉ちゃんのために私が立ち向かう

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あ｢さあ、あなたは早くこれを飲んで自由になって。｣







お姉ちゃんは、
彼のために必死に頑張った
彼だけのために







あ｢………それで、幸せになって？｣









一人で立ち向かうのは怖くて仕方がない
でも彼にはもう普通の人間として、
人生をやり直してほしい









それが、お姉ちゃんの願いだから。

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