狼青年にはご注意を。2

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あ｢……………んっ｣





大きな彼の噛み跡を、
人差し指で優しくなぞられる





侑｢もう…近づかないで。｣

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侑｢僕が愛してあげるから。｣






知念君の言葉は、
不思議と頭に直接響いてくる
なんだか吸い込まれてしまいそうな、
そんな感覚





確かに、
一途な思いを素直に伝えてくれて、
私を受け入れて愛してくれると言ってくれる知念君だったら幸せにしてくれると思う

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でも違うんだよ





どうにか体に力を入れて、
起き上がった






あ｢知念君…もう帰って。｣







愛されたい、
それはもちろんだけど、
それ以上に愛したい







侑｢……………なんで…、？｣





あ｢私はもう現実から目を背けないって決めたの｣







全て嘘のようで、
でも紛れもない事実で、
真実を確かめなきゃいけないことがある

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あ｢私は大丈夫だから｣




きっと知念君は、
全てわかってるんだろう





侑『…嘘付き。』





私が初めて狼青年に出会った時からずっと、
私が狼青年の正体を知ってることも、
お姉ちゃんのことも、
多分わかってるんだ







だからこうして、
必死になって止めてくれるんだと思う

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侑｢あの二人は危険だよ｣





全部分かってるから。
知念君には全て見透かされてしまうんだ





あ｢うん、それでも私は決めたから。｣





侑｢……………………｣





あ｢帰って。｣

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胸がひどく痛む
でもこうするしかないんだよ





知念君は俯いて、
そのまま何も言わずに出ていった

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