狼青年にはご注意を。2

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あ｢…どうしてそんなこというの？｣





胸がきゅうっと締め付けられて、
声を出すのも精一杯





裕｢ごめん。｣




あ｢私は裕翔の事好きだったよ？｣

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裕｢……ごめん。｣



あ｢理由は？｣






分かってる、理由はちゃんと分かってる
もう私以外の子が好きなんでしょ？
大人っぽくて綺麗で＿＿＿＿
昨日の女の人が原因なんでしょ？








でも、








裕｢本当にごめん。｣







裕翔から出る言葉は、
ごめん、その一言だけ。





身体中の力が抜けていく感じがする




もう今更、遅いんだ
何を言ったって裕翔には何も響いてないんだから。

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もう裕翔には愛されてないんだ
もう何もかも遅い、
戻らない







あ｢わかった。｣






愛をくれない人に執着をしていたら、
自分が辛くなるだけ
昔からそうだった
誰からも愛されなかったんだ






期待した分、辛くなるのは自分なんだから






あ｢別れよっか。｣





震える声を必死に振り絞って、
無理矢理口角を上げて笑って見せた

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裕｢A。｣






裕翔の唇がそっと触れた








どうしてそうやって名前を呼ぶんだろう
辛そうな顔を浮かべるんだろう
愛おしそうに優しくキスをするんだろう





分からないよ、
人って本当によく分からない生き物







ただ、裕翔が優しいんだ
好きじゃない人を目の前にしても、
こうやって情だけで柔らかい表情をして、簡単にキスができるんだ。





本当の理由も教えてくれないんだ。
裕翔は優しいから、
いい人だから、

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あ｢私は平気だよ。｣





愛されてこなかった私は、
強がることしかできない





あ｢わざわざ会って話してくれてありがと、
もう行って大丈夫だよ。｣




弱さを見せることもできない

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裕｢本当にごめんな。｣



あ｢うん、さよなら。｣









その後ろ姿にしがみついて、
行かないでって、
ずっと一緒にいてほしいって、



素直になれたらどんなに幸せだろう。



でも分かったことがある。







私は本気で裕翔を愛していた、
どこかで裕翔も同じじゃないかって信じてた







愛されてこなかった私は
上手に人を愛することすらできない。

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