68 《涼介side》 ページ19
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千『きゃあっ………!?』
くそ、見られた
こんな暗闇1人で歩く奴いるかよ
千『ちょっ…あなた何してんの!?』
俺が近づくと、
その女は震えながら後退りをした
俺は急いで記憶を消そうと試みたものの、
気絶もしなければ、記憶も消えない
俺の術に一切かからなかった
こんな事は初めてで、正直めちゃくちゃ混乱した
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千『ねえ…あなた殺したの?』
小刻みに震えた人差し指の先は、
真っ青で倒れている女
早く逃げればいいものの、
涙目になりながら必死に俺を睨んできやがる
涼『殺してない…、血貰っただけ。』
目を光らせて、
少し近づいてみる
それでも、彼女は
なぜか俺の頬に手を添えた
驚きのあまり体が硬直した
千『辛い?』
そんな事を聞いてきたんだ
全てを見透かすような瞳で
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千『私には、あなたが辛そうに見える。
ねえ、孤独を感じてるの?』
眉を下げて心配しているような顔
今まで味わったことのない感情に襲われた
胸が締め付けられるような、
苦しくて目頭が熱くなるような、
不思議な感覚だった
そんな顔向けられたこと無かった
確かにそうだ
ずっと辛かった
血がなきゃ生きていけないなんて…、
俺の仲間や家族はみんな殺されて、
それでも死ぬのが怖くて、ずっと生きてきた
毎回俺を見て皆拒絶する
その目を見る度に胸をえぐられるような感覚に陥る
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でも、
俺もこの女も
今にも泣き出しそうな辛そうな感情を抱いている
何かから逃げ出したいと思っている
そう感じた
涼『お前も辛いでしょ。』
気づけばそんなことを口にしていた
彼女は少し驚いた顔して、
すぐに眩しいくらいの笑顔を見せた
千『お前じゃなくて…千世ね!』
でも、
すぐに顔を歪まして、
俺に歩み寄ってこう言ったんだ
千『ねえ、私の事殺して?』
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涼乃(プロフ) - ほのさん» ほのさんありがとうございます!完結まであとちょっとですので是非最後までお付き合いください!! (2021年3月4日 0時) (レス) id: d580f0ae08 (このIDを非表示/違反報告)
ほの(プロフ) - 続きがきになります、続編たのしみ!!! (2021年3月3日 23時) (レス) id: 9be55037a1 (このIDを非表示/違反報告)
涼乃(プロフ) - れっしーさん» れっしーさんありがとうございます!!完結までお付き合い頂けたら嬉しいです(;;) (2021年3月3日 9時) (レス) id: d580f0ae08 (このIDを非表示/違反報告)
れっしー - とても面白いです!これからも頑張ってください! (2021年3月1日 16時) (レス) id: aa496b1864 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:涼乃 | 作成日時:2021年2月15日 22時