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涼「あの人とお前があまりにも似てるから…怖い」



あ「……、」



涼「俺の前から急にいなくなりそうで。」








彼の手は震えていた
愛していた人を急に失って、
今までこうして孤独に生きてきたんだろう



私もお姉ちゃんが亡くなってから
自分を責め続け、孤独を感じていた
その時に裕翔に出会って救われた
大切な人を失うものほど怖いものは無い

































それは私も痛いほどわかる
だから彼の事も本当によく分かる




あ「大丈夫。」




気づけば震えた彼の手を握っていた
驚いた顔でこちらを見ていて
真剣に彼の目を見つめる




あ「私はあなたの事信じてるから、いなくなったりしないよ。」

































涼「目的を果たしたら、この街を出るから。」



あ「目的…?」



涼「あと少しで狼青年のニュースも収まるはず」



あ「それってどういうこと?」



涼「お前は別に知らなくていい、とにかく俺は早く見つけ出す」









“目的”
嫌な予感がした
もし、裕翔の話をしたら____
この話は黙っておこう

































涼「お前、なんか隠してるな」




そんな事を考えてたら、
彼が私の顔をじっと見つめる
図星だ









あ「何も隠してないよ…」





目が泳いでしまっているのが分かる
確実に彼には見透かされてるんだ





涼「人間の心の中って何となく読めるようになってんだよ、」




彼の手が私の後頭部にそっと触れた




涼「俺にはお前が動揺するなにかがあるようにしか見えないんだけど?」




あ「………………」

































涼「だから聞いてきたんだろ、もう一人の事」






彼には全部お見通しだ
でも裕翔の話は出来ない
それを知ったら間違いなく彼は裕翔の所へ行く
まだ裕翔って決まったわけじゃないから、
言えない






あ「本当に何でもない」



涼「あっそ」

































その後、
彼も私も口を開くことはなかった
詳しく聞くことも出来なくなってしまった




新しく冷たいタオルをおでこに当ててくれ、
何も言わず私の頭を撫でながら、
ただ、見つめていた




彼の優しい表情と、
体のだるさが限界を迎えていたため、
そのままゆっくりと目を閉じ
眠りについた

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涼乃(プロフ) - ほのさん» ほのさんありがとうございます!完結まであとちょっとですので是非最後までお付き合いください!! (2021年3月4日 0時) (レス) id: d580f0ae08 (このIDを非表示/違反報告)
ほの(プロフ) - 続きがきになります、続編たのしみ!!! (2021年3月3日 23時) (レス) id: 9be55037a1 (このIDを非表示/違反報告)
涼乃(プロフ) - れっしーさん» れっしーさんありがとうございます!!完結までお付き合い頂けたら嬉しいです(;;) (2021年3月3日 9時) (レス) id: d580f0ae08 (このIDを非表示/違反報告)
れっしー - とても面白いです!これからも頑張ってください! (2021年3月1日 16時) (レス) id: aa496b1864 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:涼乃 | 作成日時:2021年2月15日 22時

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