検索窓
今日:46 hit、昨日:5 hit、合計:81,482 hit

61 ページ12



あ「もう一人の狼青年の事、詳しく聞きたい。」





目の前の彼はやっぱり、って顔をして
深いため息をついた





涼「知ってどうすんの?」




あ「いや…それは。」





理由を聞かれたら、
ハッキリと答えられるものは何も無い
裕翔かもしれない恐怖を晴らしたい
それが一番の理由

































でも、




あ「もしかしたら理由があるかもしれないでしょ」



涼「………………」



あ「その人がどんな人なのかはわからないけど、人を殺して楽しんでる人なんていないんじゃないかなって」



涼「何が言いたいわけ?」



あ「あなたにも人間の心がちゃんとあるように、その人にもあるかもしれないってこと」









傍から見たら、
彼だって自分を偽って人を騙し続けている
でもこうやって優しさもあって、
過去を恨んで臆病な心もあるんだ

































だけど、彼は更に深いため息をついて、
どんどん不機嫌そうな表情へと変わる








涼「お前さ…、そうやって簡単に信じんなよ。」




あ「え?」




涼「殺 人鬼にまで同情すんのかよ」




あ「…それは」




涼「そーゆーとこ本当……似てる」








でもその険しい表情の中に、
愛おしさも混じっている気がした
似てる、
きっと私を昔の彼女と重ねているんだ






彼と付き合うには、相当な覚悟があったと思う
でもそれ以上に彼を信じて愛してあげていたんだな
それは彼も同じで__
だからこうして過去を憎み続けている

































涼「悪いけど、あいつはそんな心なんて持ってない」



あ「…………」



涼「ただの人間に化けた獣」



あ「本当にそう思う?」








きっと私も違うんだよ
もし、裕翔だったらどうしよう
あの裕翔がただの殺 人鬼だったらどうしよう
そんな事ばっかり考えてるんだ


ただ、そればかりが不安で
だからもう一人の狼青年も優しさがあるって信じたいんだ

62→←60



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (82 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
307人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

涼乃(プロフ) - ほのさん» ほのさんありがとうございます!完結まであとちょっとですので是非最後までお付き合いください!! (2021年3月4日 0時) (レス) id: d580f0ae08 (このIDを非表示/違反報告)
ほの(プロフ) - 続きがきになります、続編たのしみ!!! (2021年3月3日 23時) (レス) id: 9be55037a1 (このIDを非表示/違反報告)
涼乃(プロフ) - れっしーさん» れっしーさんありがとうございます!!完結までお付き合い頂けたら嬉しいです(;;) (2021年3月3日 9時) (レス) id: d580f0ae08 (このIDを非表示/違反報告)
れっしー - とても面白いです!これからも頑張ってください! (2021年3月1日 16時) (レス) id: aa496b1864 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:涼乃 | 作成日時:2021年2月15日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。