狼青年にはご注意を。2

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裕｢……………｣





約束の20時
珍しく時間通りに公園のベンチに腰をかけていた





あ｢裕翔…｣






コートを着た背の高い裕翔は、
私とは生きる世界が違うような、余裕のある笑顔
目の前にいても遠いんだ。

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裕｢久しぶりだね。｣








ううん、違う
私は久しぶりなんかじゃない
昨日裕翔がここで女の人と会ってるの見ちゃったんだ
でも、そんな事は言えない







言ったら終わっちゃう
でも何だか＿＿＿＿






あ｢そうだね。｣






もうそろそろ終わりを迎えようとしている
もう終わるんだ
裕翔の笑顔を見てるとそんな気がして落ち着かなくなる

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そんなの嫌だ
裕翔が離れるなんて嫌だ






あ｢裕翔から会いたいなんて言ってくれると思わなかったよ！｣






頑張って笑顔で平然を装う
俯いて笑う裕翔がすごく苦しい
今にも泣き出したいくらい胸が痛くて堪らない







裕｢A｣






嫌だ
悲しい言葉だけは言わないで、
私も俯いて目をぎゅっと閉じる

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裕｢A｣







もう一度名前を呼ばれて、
ゆっくりと顔を上げて、
もう私の目には熱い涙が溜まっていて、







裕｢別れよう。｣







その言葉が胸をグサッとえぐって、
溜まっていた涙が一気に零れ落ちる

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あ｢えっ…？｣






何度聞き返したって、
返ってくる言葉は同じなのに
聞きたくない言葉をもう一度聞こうしている
私はバカだ。






裕｢別れてほしいんだよ。｣









私は裕翔の事ずっと愛してた
会えない時間続いてもずっとずっと、
愛してくれると心の中で思ってた

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でも、裕翔の表情は
もう私に対する愛情は感じられない




まるで、赤の他人を見ているような目で
ただ私を見つめている

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