8 ページ8
ベッドに二人座り見つめ合う状態は、なんだか学生時代の初体験かのような変な緊張感を覚える。
すると伝わってしまったのか北山がフ…と笑みを零し、それにつられるように俺も笑った。
まるで俺相手に緊張なんてしなくていいと安心させてくれるように思えて、自然と肩の力を抜くことができた。
「北山…」
「ん…」
唇をただ触れあわせるようなものからだんだんと深く、お互いの唾液を混じり合わせるようなキスへと変えていく。
時折甘く感じるのは北山の唾液なのだろうか、なんて変態めいたことを考えてしまうのはそれだけ深く想っている証拠なのだから許して欲しい。
北山の衣服に手を掛けると、同じように北山の手も俺のボタンに手を掛けていて、そこにはもう多分先ほどまでの恥じらいのようなものは無くて、ただ早く…相手を感じたいって、それだけで頭がいっぱいになっていた。
「好き…北山」
「藤ヶ谷…」
「っ…好きだよ」
どうしてこんなにも、心揺さぶられるのだろう。
どうしてお前じゃなきゃだめなんだろう。
他の誰かじゃだめなんだ、お前しか欲しくないんだ。
頬に手を滑らせて優しく撫でる。
頬っぺたの肉だけはいくら頑張っても全然減らないだなんて言っていたくせに、こんなにシャープになっちゃって…、これが頑張りの証だとは知っているけれど早く触り心地のいい健康的な頬に戻って欲しいな。
ジッと見つめる真っ直ぐな北山がかわいくて、微笑んでまた唇を寄せる。
肩を抱いてそっとシーツに寝かせようと身体を密着させたその時……、ほんの一瞬早く北山にガッと肩を鷲掴みにされやや乱暴に乗っかられた。
目の前には余裕のなさそうな顔をした北山と、その背後には天井が見えて、ようやく自分が押し倒されているのだと分かった。
「…は?」
「わり、もう限界。…お前かわいすぎ」
「…き…たやま…?」
あれ、何だろうこれ。
どうして俺北山に押し倒されてるの?
かわいいのは北山だよ?俺じゃ無いでしょ。
もしかしたら初めてにして騎乗位でもしてくれるのかと考えたその時、次に続いた言葉に俺は北山がとんでもない思い違いをしていることにようやく気づいた。
「…お前をちょうだい、藤ヶ谷」
「え…?」
「優しくする。ぜってー痛い思いさせないから、…抱かせて」
737人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
絢音(プロフ) - たいちゃんらぶさん» 本編のみったんはやや不安要素を残して終えましたが、アフターストーリーの番外編ではそんな杞憂も消えたいぴにすっかり心預けているみったんを描けていればなぁと思う次第であります(*゚▽゚*) (2020年3月18日 20時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - たいちゃんらぶさん» たいちゃんらぶさん♪たいぴの勘違いからコメディ風に進み、そして甘々シーンを経てより一層幸せな二人にできて私も嬉しく思います( ̄∀ ̄)♪Yの証人も楽しんでもらえてよかった〜♪ (2020年3月18日 20時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - ユキスケさん» ユキスケさん、お久しぶりです(^^)♪私まで優しくなれそう、そのお言葉に本作を創って良かったなと心から思えました…!Yの証人もありがとうございます(笑)第三者目線はなかなか新鮮で楽しく書けました♪ほっこり甘々な二人にできて良かったです(*゚▽゚*) (2020年3月18日 20時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - ピンクピーチさん» ピンクピーチさん、いつもありがとうございます♪今回は完全片想いから始まるという珍しい入りでしたが、甘々な着地にもっていけてホッとしております( ̄∀ ̄)横尾さんエピも楽しみながら追加しましたが、楽しんでもらえて良かったです(^^) (2020年3月18日 20時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - *コウ*さん» コウさん、初めまして(^^)序盤からもどかしい二人を見守って下さりありがとうございました!今回かわいめなきたーまさんを書けて私も大満足です(*゚▽゚*)また別の作品でお会いできる事を楽しみにしています♪ (2020年3月18日 20時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:絢音 | 作成日時:2019年12月21日 13時