ここから始まる二人

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「っ…」
「あっ、んっ、ふじがやっ…おれ…もう…っ…っっ」
「ん、俺も…もう限界…っ」
「っ、やっあぁぁっ」



加減を止めて本能のままに打ち付けるとそれまでとはまるで違う快感に襲われる。
心なしか北山の表情もさらに色気を増し、もうお互い昇り詰めることしか考えられなくなっていた。



「あぁっ、んっ、ふじっ、ふじがや…っ」
「うん、はっ…北山…っ、…んっっ」
「あっ、ああぁっ…！」



名前を呼ばれた瞬間身体の奥からものすごい快感が駆け巡り、最奥へと打ち付けたところで達した。
その瞬間北山のナカがギュッと締まり、一滴残さず搾り取られるような感覚がして思わず笑みが込み上げた。



「へ…？」
「あは、…あー…っ、ねぇきたやま」
「な、なに？」



イったばかりで脱力しながら見上げる北山の両頬を包み込む。
俺のものって表現は適切ではないけれど、それでもこの瞬間北山は俺のものになったのだと…そんな錯覚さえ覚えるほどに幸せで堪らなかった。



「俺、もう人生悔いないかも」
「は？」
「ふふっ」
「……っ、〜〜っ、ばっ…かじゃねぇの」
「あははっ」



俺の意図することを汲み取ったらしい北山は一瞬で顔を真っ赤に染め上げ、俺をドンと突っぱねて頭から布団をすっぽりと被って身体を隠してしまった。



「えー、どうして隠れちゃうの？きたやまー？」
「も…うっさい、お前恥ずかしすぎ…」
「ねぇねぇ、顔見せてよ」
「絶対やだ」
「えー、キスしたくない？」
「……」



そこでおずおずと布団を捲って目だけを出してくる仕草は、一体どこから教わってきたんだろうね。



「あぁ…」
「…藤ヶ谷？」
「めっちゃ愛しい…」
「っ…！？」



布団ごと北山を抱きしめて耳元で囁けば、北山は急に静かになった。



「北山？寝ちゃったの？」



返事は聞こえない。

まぁ初めての経験に身体に相当な負担がかかっていただろうし、体力があるといっても疲れてしまったのだろう。
きちんとゴムを付けてシていたから北山を起こしてまで後処理をする必要もない。



「待っててね、ホットタオル用意してくるから」



もう眠ってしまっている北山に優しく囁いて、髪を撫でてキスを落とした。

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