メンバー全員、片想い2〈SnowMan〉

身を任せるのもありなんじゃない？ ページ8

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『…て事があったんだけど』
岩「へー、阿部と佐久間がねぇ」



今日あった出来事を全て話すと照は、微かに笑いを浮かべながら目の前のお酒を飲んだ。"笑い事じゃないし…"そう心の中で皮肉を垂れながら私も目の前のお酒に手をつける。


岩「あれ…ビールじゃないんだ」
『あー、うん。もう無理しなくていいかなって』


本当はカクテルの方が何倍も好き。甘ったるくて飲みやすくて…でも、ふっかはそんな私をお子様だと笑ったから。今ではそんな無理も私には必要ない。


『ふっかに振られてさ、大人っぽくなりたくてやってた事全部やめたらなんだかスッキリしたんだよね』


まだふとした時に胸は痛むけれど、前の私より自分らしくいられてる気はするんだ。


岩「俺も…そっちのAのが好きだよ」
『ふふ、ありがと』


その言葉が嬉しくて、照れながらもお礼を伝えた。ふっかへの恋心は確かに私を成長させてくれたけど、やっぱり彼は遙か遠く手の届かない人だったのかもしれない。


岩「だからさ…」
『ん？』
岩「流れに身を任せるのもありなんじゃない？」


カランと音を立てて崩れた氷が、2人の間を静寂に包み込む。身を任せる…確かにそれもありなのかもしれない。


『でもね…中途半端な思いは相手を傷つけちゃうんじゃないかな』
岩「…中途半端？」
『それで、私はある人を傷つけてしまったから』


誰にも言わないつもりでいた。ふっかに恋をしてたまだ幼い私が、中途半端な思いで向き合ってしまった恋のことを。でも…照は昔から余計な事を深く聞き出そうとはしないから。自然と動いた口は、この思いを誰かに聞いて欲しかったからかもしれない。


岩「それでもさ…。向き合ってもらえないよりは傷ついても向き合って欲しいと思うけどな」
『照…』
岩「Aだって、たとえ思いが届かなかったとしてもふっかがちゃんと自分の思いに向き合ってくれたのは嬉しかったでしょ？」


「傷つくのを恐れてたら、恋なんてできないよ」そう笑った照は、どこまでも大人でかっこいい。


『流れに身を任せてもいいのかな』


たとえそれが、誰かを傷つけてしまったとしても…私が前に進むにはみんなの思いと向き合わないといけないのかもしれない。

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