浮の話 ページ26
４４．
はぁ
恥ずかしい
超恥ずかしい
自意識過剰だった
調子に乗ってた
時間置いて、書こう
そうすれば落ち着く
前も書いた通り
早く、返信しなきゃって焦るな私
急いては事を仕損じる
不必要に舞い上がるな
恥ずかしい
でも、本当にそう思ってるかはわからない
最近、いつもだったら、昔だったら、グサッと深く傷つくような言葉も、響いているようには思えなくて
まるで、感情が一歩、引いているよう
私ってこんなんだったけ？
まるで響かない、届かない
そんな感じがする
いつからだろう
ふわふわ
スッと通り抜けてるような
そこにあるのに、通り抜けていく
浮幽霊みたい
あ〜、昔
フユニャンって呼ばれてたっけな〜
あれはいつだっけ
そうだ、８年前だ
ははは、時を超えて、見事に言い当てたわけか
変なの
子どもの言葉は時として、よく当たる
それは無邪気で、残酷で
正に、子供
子供ゆえの純粋さ、無邪気さで
人を、大人を、子供を傷つける
はは
あ〜、笑えない
うん
なんか、本当に私は浮幽霊なんじゃないかって自分でも思ってきた
これをやる始める前の、時の流れは私を通り抜けるよう
浦島太郎のような、置いてけぼり感
私だけを置いて通り過ぎていく
透明
ふわふわ
実体感がない
現実感が無い
傷付くような言葉も、スッと通り過ぎた時の僅かな残像が、ゆっくりと沈殿していくよな、そんな気持ち悪さが残るだけ
ただ、胃のあたりが、ちょっと重いような‥‥
そんな感じだけ
ふわふわ
文字通り
まぁ、やり始めて、と言っても大して変わったわけじゃないけどね
ふう
本当に私は、卒業して、就職して、老いて、この世界を、人生を生きていくのだろうか
現実感が無い
ここに私がちゃんと、存在している？
私って本当にここにいる？
変なの、私はここにちゃんといるのに
意識を持って、思考をしているのに
考えちゃう
はぁ、死にたい
早く、死にたい
今日も、普通は多少なりとも緊張する場面で、私は欠片も緊張しなかった
それどころか、へらへらと笑っていたと思う
単純に慣れるのが早いから？
違う
昔だったら、完全に緊張してた
成長したから？
違う
絶対、逆に弱くなってる
前も、旅行に行くとなればワクワクして寝れなかったはずなのに、そんなこと思いもしなかった
明日なのか〜
他人事のような気持ちだった
まあ、５年も前の話だけどね
現実感が無いのはどうしようも出来ないな〜
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作者名：潮見 不可 | 作成日時：2022年9月21日 13時
