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不登校の話 ページ21

20.



私が母に初めて、明確な嘘を吐き、学校を休んでから、一週間

私は教室の扉の前で佇んでいた

久しぶりに学校に来たのだ

具合が悪いと嘘をついてる以上、学校にはいつか行かなければいけない


何か、言われるかもしれない

そんな恐怖感で、不安感でたった数秒の時間は何倍にも引き延ばされ、長く、長く、私に感じさせた



結論から言えば、そんなことなかった

ただ、少しの心配の表情と好奇心がのぞく、おおむねインフルエンザにかかって休んだ子に尋ねるようなことと変わらなかった


私はそれに安堵していたのかもしれないし、落胆していたのかもしれない

どっちもだったかもしれない

どう思ったのかは私は覚えていない。忘れている


私が行かなくなった、原因の一端である、彼女たちがどんな顔をしているのか、私は盗み見た

彼女たちは楽しそうに笑っていた

まるで、そんなこと、知らないというように

私には一切、関係ありませんよ

そんな風に普通に笑って、談笑していた。他の人と仲良さそうに


私は怒った、のだと思う


たぶん、彼女たちは本当に、純粋にそう思っていたのだと思う

わからないけど


私がいつの間にか、不登校になったことなど知らないし

自分たちが原因かもしれないなんて、欠片も思っていない

いつのまにか、自然消滅した友人関係と、私

それだけが、彼女たちにとって全てなのだろう


これに関しては私の単なる、逆恨みかもしれない

被害妄想かもしれない

だけど、そう思わずにはいられない


たとえ、あの言葉が悪意ある言葉でもなんでもなく、善意ある言葉だったとしても

私はその言葉に深く、傷付き、結果として不登校になってしまった


だから、もし私が落胆したのであったなら

私は自分のせいではないのかと思い、顔を暗くしている彼女たちの姿を、見れなかったことに対してなのだろう


失望だよ

私はその時、

彼女たちに失望した

失望せざるを得なかった


心のどこかでまだ、信じていたのだ


本当に彼女たちのせいなのか

私が思い込んでいるだけじゃないか

彼女たちは何も悪くない

私が悪いだけじゃないか






だって、友達

でしょ?

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作者名:潮見 不可 | 作成日時:2022年9月21日 13時

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