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さて、尾岳に到着である。
街灯の少ない草道をサクサクと歩く蘭と懐中電灯を持ちながら竜胆はお目当てのイザナ達を探した。
どこにいるかな、こっちかなと歩いていくと徐々に辺りは暗くなり人がいなくなる。二人の間には会話はなかった。特に話すことがなかったので竜胆は持ってきた金平糖をコロコロと口の中で転がしていたのだ。
そういえば、竜胆が奴らと初対面したのはこんな山道だったな。
竜胆はホワホワと昔の事を思い出す。回想である。
あの日竜胆は蘭に呼び出されて神喰村という閉鎖された村に訪れたのだ。昔大きな事件があり人が寄り付かなくなったそこは今では若者の肝を試すにはうってつけの場所となっており、そんな場所に何故か蘭が竜胆を呼びつけたのが始まりだった。
人は少ないし暑いしムシムシするし荒れた道は歩きづらく最悪だったので竜胆は少しイラついていた。なんでこんなとこに呼び出してんの、マジで。とメガネをカチャカチャさせながら進むと村の中で一番大きな家屋の前に出たのだ。
蘭は大きな家にいるとメールが来ていたのでここかなと思い竜胆はサと中に入った。イザナの怪奇現象に巻き込まれる前の話であり、その時の竜胆はオバケなんか信じちゃいなかった。想像力の豊かな奴か臆病者の見る夢だろと笑ってたくらいだ。
昼間なのに何故か薄暗い廊下を歩く。歩く度に埃が舞い、窓から入る光に反射してキラキラと輝いていた。それをボーと見ながら歩いていくと、ふと話し声が聞こえてきたのだ。
「いつ迎えに来るの」
「しらない」
「このままなの？」
「そう言ってたよ」
と男女の声である。きっと肝を試しに来た若めの集団なのだろう。竜胆は話し声のする部屋の前を素通りしそのままテクテクと歩いた。どこだよ兄貴と奥に進んでいくとまた話し声が聞こえた。
「まだ迎えにこないの」
「こないよ」
「なんで？」
また若い集団だ。
竜胆は少しの違和感を感じるも、やっぱり興味がなかったのでテクテクと歩き続けた。一階には蘭はいなかった。じゃあ2階か。竜胆はギシと軋む階段を登り2階へと向かった。少し歩くとまた話し声が聞こえてきた。
「まだ迎えにこないの」
「こないよ」
竜胆はピタリととある部屋の前で足を止めた。また男女の声である。人数が減っている気がするがずっと同じ声であった。ゾと背中に寒気が走った。しかし竜胆は強いので、扉に手をかけると恐る恐る中の様子を覗いてみるのである。
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月野 - この手の話、今まで無かったので新鮮でした!とても面白かったです!!更新楽しみにしています! (2022年10月6日 2時) (
レス) @page19 id: dccd327fc0 (このIDを非表示/違反報告)
はる - 軍時さん» まじですか？ありがとうございます!! (2022年9月25日 22時) (レス) id: 1a9036ae39 (このIDを非表示/違反報告)
はる - 武道可愛いですねｗ。空になったペットボトルまだ持ってるなんて…。竜胆は武道になにをあげるんだろう。気になります！斑目の設定考えた主さんが天才すぎる!! (2022年9月25日 22時) (レス) @page19 id: 1a9036ae39 (このIDを非表示/違反報告)
軍時(プロフ) - 零さん» 特殊な訓練を受けている彼らだからこそ出来る対処法なので実際には…です笑なのでたけみっちがペットボトルをブンブン！と降っても除霊は出来ないことになりますね、かわいいですね🌼楽しいと思って貰えてとても嬉しいです🥰コメントありがとうございました！ (2022年9月25日 18時) (レス) id: 9794be9817 (このIDを非表示/違反報告)
軍時(プロフ) - 零さん» 大丈夫ですよ〜！ゆっくりにはなりますが更新頑張りますね💪 (2022年9月25日 18時) (レス) id: 9794be9817 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：軍時 | 作成日時：2022年9月13日 11時
