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「これからお前んとこにも行くかもな」
イザナはそう言って、いいタイミングでバイクで現れたカクチョーの傍に向かった。ココは「え?なんて」とイザナを見た。イザナはココを見て笑っていた。
「見ちゃったんだろ。ソイツらは反応されちゃ喜ぶ変態だから、お前んとこに行くぜ」と悪く笑うのだ。
そしてカクチョーのバイクのケツに乗って走り去ってしまったのだ。
ココは固まった。行くって、何がだよ。
薄暗い月明かりだけの道である。先程まで何かがいた道である。イザナが怖い話をぶっ込んできた直ぐである。
「っ最悪!」
ココはバ!と走った。後ろに何かがいそうだったから、怖かった。
そのまま走り続けて、一番近くにあったイヌピーの家には駆け込んだ。
イヌピーは「お」と突然来たココに驚いた。
ココはイヌピーに抱きついた。
「?どうしたココ」
オバケでも見た顔して。
ココは何も言わなかった。イヌピーのフワフワの髪に頬を寄せて、小さく息を吐いた。
「結局、生きてる人間が一番怖いと思ったね」
イザナの声が頭ん中で響いた。
ココの本日の予定は天竺を抜ける事である。
イヌピーと大寿と黒龍をやり直そうと話して、やっと抜けてきた帰りであった。
あのクソ野郎、最悪の土産寄越しやがった。
道理で、帰る時に竜胆と斑目が合掌してた訳だ。
ココは泣きそうになって、グと耐えた。
それは一人の少年の、小さな抵抗であったのだ。
その日からココはおかしなもんが少し見えるようになっちまった。
夜遊び盛りの少年には致命的なことである。
「何とかしろよオイ」
「いや俺に言われても」
ココは花垣のいる東京卍會に突撃し、イザナの弟である万次郎に詰め寄った。しかし万次郎は知らんので知らないと首を降るばかりである。
「イザナは根に持つと面倒くさいんだよ」
「知ってる。だから困ってんだよこっちは」
万次郎は少し考え込むと、「あ」と何か思い出したように右を見ながら話し出した。
「マダラって奴が、何か居るだけで除霊してくれるってこの前イザナが言ってた気がする」
万次郎は「多分」と付け加えてココに教えた。
ココはマダラと聞いて斑目の顔を思い出した。
そういえば奴、やたらと天竺で大切にされていたような気がする。そういう事か!
ココはククと笑った。イザナめ、今に見てろよ。
目標は斑目の強奪。黒龍へのチーム加入である。
斑目はこうしてまた知らない所で狙われるヒロインとなったのである。
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月野 - この手の話、今まで無かったので新鮮でした!とても面白かったです!!更新楽しみにしています! (2022年10月6日 2時) (レス) @page19 id: dccd327fc0 (このIDを非表示/違反報告)
はる - 軍時さん» まじですか?ありがとうございます!! (2022年9月25日 22時) (レス) id: 1a9036ae39 (このIDを非表示/違反報告)
はる - 武道可愛いですねw。空になったペットボトルまだ持ってるなんて…。竜胆は武道になにをあげるんだろう。気になります!斑目の設定考えた主さんが天才すぎる!! (2022年9月25日 22時) (レス) @page19 id: 1a9036ae39 (このIDを非表示/違反報告)
軍時(プロフ) - 零さん» 特殊な訓練を受けている彼らだからこそ出来る対処法なので実際には…です笑なのでたけみっちがペットボトルをブンブン!と降っても除霊は出来ないことになりますね、かわいいですね🌼楽しいと思って貰えてとても嬉しいです🥰コメントありがとうございました! (2022年9月25日 18時) (レス) id: 9794be9817 (このIDを非表示/違反報告)
軍時(プロフ) - 零さん» 大丈夫ですよ〜!ゆっくりにはなりますが更新頑張りますね💪 (2022年9月25日 18時) (レス) id: 9794be9817 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:軍時 | 作成日時:2022年9月13日 11時