桜前線 1【GO】 (ページ28)

今日:18 hit、昨日:4 hit、合計:4,001 hit

28　サッカーもいいけどテニスもいいページ28

苺をぱくりと食べる。上品な甘さが最高で美味しい。味の感想を伝えると、霧野くんは嬉しそうに笑った。次に、先日の試合について話が移る。

「この前の試合は...大波乱だったな」
「ああ。Aさんもこの前の試合は観たんですよね」
「うん。会場に観に行ったけど、終始ハラハラしたよ。あと、剣城って選手のプレー凄かった！」
「あいつは実力はあるんだがな。結果としては勝利に貢献したが、いつ裏切るか...」

レベルの高いポケモンがトレーナーの指示を聞かずに気まぐれに動く、みたいな現象に近かったりするのかな。

「でも、良かったな。チームの雰囲気が変わってきて」
「ああ。みんな本気で勝とうと思ってる」
「そうだな。＿あぁ、早く練習がしたくてウズウズするよ」
「焦るなって。二、三日の我慢だろ」

霧野くんの横には松葉杖が置いてある。心配しながら視線を向けると、彼は笑った。

「ただの捻挫だから大丈夫だよ」
「そっか。安静にしてね」

彼は俯きながら、真剣な眼差しをしていた。

「頑張ってる信助を見ると、負けられないって思うんだ」
「そうだな。あいつの頑張りを必ず勝利に繋げよう」
「頼むぜキャプテン」
「ああ」

力強い眼差しは頼り甲斐を感じさせた。それからは、3人でテニスをしたり、話に花を咲かせたりして穏やかな休日を過ごした。