桜前線 1【GO】 (ページ24)

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24　練習するぞ！ページ24

家までの帰り道で神童くんと合流した。

「神童くん、ずっと練習してたの？」
「俺は自主練をしてました。試合前なので。Aさんこそ、こんな遅くまでどこに行っていたんですか？」
「んー、秘密！」

神童くんの前でくるりと一回転し、にっと笑う。彼は困ったような表情を浮かべた。

「サッカーじゃないんですか」
「あっバレてた？」
「わかりますよ。そうだ。これ」
「？」

彼が鞄から取り出したのは一枚のチケット。それには、"ホーリーロード関東Aブロック地区予選2回線入場チケット"と書かれていた。顔を上げて、不思議に思いながら神童くんを見返す。

「よかったら今度観に来てください」
「えっ、いいの！絶対行くね！」
「はい」

翌日も放課後は河川敷でサッカーをした。その日、あの人は来なかった。その次の日は来てくれて、練習に付き合ってくれた。彼は吉良ヒロトという名前らしい。

「ヒロトさんってどうしてそんなに上手なんですか？」
「本当かい？そう言ってもらえて嬉しいよ。サッカーが好きで、続けていたからこうなったのかもしれない」
「小さい頃から上手かったんですか？」
「いや、全然そんなことはないよ。ただ、あの頃は一生懸命だったからなあ...」

懐かしそうな顔でサッカーボールを見つめていた。

「Aちゃん、サッカーは好き？」
「好きというかなんというか。今は単純な興味ですかね。必殺技とかは出してみたいです」
「必殺技か。いいね」

天馬くんのドリブル練習を真似て、河川敷のタイルの上で斜めに進む。例えば、「2,2,3」だと、初めは斜めにタイル2つ分進み、次も2つ分進み、そして最後に3つ分進む。それを連続して行う練習だ。3,3,3達成目指して頑張るぞ！