桜前線 1【GO】 (ページ18)

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18　サッカーへの興味ページ18

翌日から神童くんはサッカー部に復帰した。彼の中で答えが出たのだろう。赤いキャプテンマークを腕につけ、一人俯きながら立っている。昨日に続いて元気がない。

グラウンドの上からサッカー部の活動を見ている人が自分以外にもう一人いる。階段の上で静かに佇む威厳のある人物。雷門中の制服を着ていないけど、あれは誰だろう。紫色の服を着ている。じっと見ていると、ふと視線が合った。思わずすぐに目を逸らしてしまった。ちょっと怖いかも。

茶髪天パくんやピカチュウくんは練習に真剣に取り組むも、転けたり倒れたりしている。よく見ると前しか向いてなくて、周囲をあまり見ていない。彼らは不器用に見えるけど、どこか力強さを感じさせられる。

サッカーか。
楽しそう。ちょっとやってみたいかも。前に神童くんとパスをし合った時は楽しかったし。必殺技っていうのを出してみたさもある。ちょうど庭にサッカーボールがあった。帰ったら執事さんに使用許可取って、可能なら一人でサッカーしに行くのもアリかも。

家に帰ってからしばらく経つと、神童くんが帰ってきた。階段から降りて彼を出迎える。

「ただいま」
「おかえり！神童くん、早いね」
「...はい」

どこか表情が固い。サッカー部に復帰したばかりなのに、どうしてだろう。サッカー部の仲間のもとに溶け込めてないとかかな。そう思いながら、サッカーボールを手に持ち、神童くんとすれ違うように玄関を通って外に出た。

「ちょっと河川敷に行ってくる！」

帰宅部だと体が鈍る。少しくらいは運動しないと。