桜前線 1【GO】 (ページ1)

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1　社畜人生、万歳ページ1

「今日数字上がってないけどどうすンの？エ？」
「はい、申し訳ありません」
「お前手ぶらで帰ってきたら髪の毛引っ張って這いずり回すからなァ」

憧れの大手証券会社に新卒入社してから3ヶ月。もう辞めたい。電話セールスでは手に受話器をガムテープでぐるぐるに巻き付けて、アポがとれるまで拘束状態。契約が取れなかったら朝礼で公開処刑。殴る蹴るを受けるのは当たり前。監視され続ける環境。上司から詰められる毎日。土下座は日常。営業職だから、化粧や身なりも完璧に整えないといけない。インストラクターの前では常にイエスマン。

「佐倉。このお客さんは裏の資産あまりないから、新規株あげないで」
「はい、わかりました」

早朝に出社、夜に帰路に着く。そんな毎日の連続。朝の出社前は吐き気と格闘し、鉛のように重い足をなんとか動かしている。出口の見えない暗い道を歩き続けている感覚に支配されている。今日は仕事終わりの飲み会がないだけまだマシだ。

ある日の帰り道。半ば無の境地に至りながら進んでいると、キラキラと光る何かが上から落ちてくるのがわかった。不思議に思って近づくと、なんと人の形をしているではないか。一等星のような輝きを放つその少年は、重力に逆らってゆっくりと落下していた。

「ラピュタか？」

非現実的な光景に驚愕し、思わずツッコんだ。しばらく様子を観察しながら腕を伸ばし、受け止めた。

2　ラピュタみたいな出会い→

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