続き2 ページ3
――とある深夜のバーにて。
店内はざわついていた。何故なら突然現れた、常人がブッ飛ぶほどの美貌と蠱惑的な雰囲気を纏わせた男がカウンターで酒をあおっていたのを目撃してしまったからである。
既に姿はなく、ついさっき何やらバーテンダーと会話をして、店の奥へと消えてしまった。
客達はアイツは誰だという話でも持ちきりだった。親しげに話していたバーテンダーに聞いても個人情報ですのでと軽くあしらわれてしまう。
――彼が世界に名を轟かす大怪盗だとも知らずに。
…そんな中怪盗本人は、先の鉄壁の仮面はどこへやら。疲れた顔全開で長い廊下を歩き、ある扉を開けた。
「…たっだいましょにだーーー…鍵は盗ったぞー…ちなみに俺は今超眠い4徹死ぬ…」
バーと雰囲気が似ている、小洒落た一室だった。
…ここは、怪盗らの隠れ家である。言ってしまえば、アジト、秘密基地、寝床…。つまり家。
その一角には無数のコンピューターが広がっていて、今の怪盗の言葉の目的地でもある白髪の男がヘッドフォンを外した。天才ハッカー兼情報屋の男である。
「おかえりまろちゃん。今日もいい悪役っぷりだったって褒めてたで」「誰が」「俺が」「は?」
「冗談冗談!まぁまぁ?依頼主は相当喜ぶと思うよ。報酬どれくらい出るかな〜」
瞬間のキレ芸に怯えつつ、無理やりの話題転換。愉快そうに喋りながらも、手は高速で動いている。依頼達成の報告書でも書いているんだろうが、なんと器用なこと。
よくこんなの使いこなせるよな―と、機械音痴のIfはそびえ立つ電子機器に感嘆の意を示した。もはや人間の技じゃないということは、初兎本人ですら、無自覚である。
「あ、おかえりまろー帰ってたんだ。さっきまで護身術の稽古してた!」
そして、ひょこっと顔を覗かせたのが綺麗な赤髪を少し崩させたりうらである。
「おーえらいな、俺は今回変装祭りだった。女装に女装に女装…。」
「…何か知んないけどおつかれ」
途端苦虫を噛み潰したような顔になった。任務について言っているのだろう。これは根に持ってんな〜今後の無茶振りに備えよ。初兎は冷や汗を垂らした。
彼らは平然と話を続けているが今現在の時刻深夜の2時である。既に襲いかかる睡魔に抗えず、Ifはベッドに吸い込まれていった。
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この話思った以上に書きたいところがたくさんありました。結構続く気がします。短編集じゃねぇじゃん!そう思ったそこのアナタ。…オカシイナ…こんなはずじゃ。短編集の意味を履き違えているかもしれません。ご容赦下さい。
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オレンジミックスの香り - なふさん» ありがとうございます!!!!!更新頑張んなきゃ…(遠い目) (2023年4月11日 14時) (レス) id: b257397a37 (このIDを非表示/違反報告)
なふ - やぁもう好きです!!!!! 無理せず、更新頑張ってくださいっ (2023年4月5日 15時) (レス) @page4 id: 2326558a84 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:オレンジミックスの香り | 作成日時:2022年7月25日 14時