第125話 kj ページ32
玄関までめめを見送る。
来週も会えるんやからそんな悲観的になることないやろって、靴を履くめめの後ろ姿を見ながら自分に言い聞かせる。
「久しぶりに仕事以外で会えて嬉しかった。」
めめからそんな言葉聞けるなんてな。
だいたいこういうの言うんは俺やったのに。
「俺も嬉しかった。
来週の約束も楽しみにしてるから、忘れたらあかんで。」
「忘れるかっつうの。」
くすりと笑われる。
来週会う頃には、めめと阿部ちゃんの偽もんの事実が、公になってるんかな。
事務所の思い通り、またファンの子らが、世間が、それを嬉しそうに受け止めて、祝福してるんかな。
「めめ。」
「ん?」
「最後に、チューしたい。」
「…ん、」
めめの指先が俺の顎を持ち上げる。
さっきまでも何回もしたのに、最後って思うだけでそのどれよりずっと胸がぎゅうってなる。
重なった唇を離してほしくなくて、両手をめめの背中に回した。
阿部ちゃんにも、こうやって優しくするんのかな。
それとももっと、優しかったりして。
ゆっくり唇が離れたら、優しく頭を撫でられる。
阿部ちゃんにはこんなオプション、つけんといてよ。
「寂しくさせてごめん。」
「めめ、今日謝ってばっかりやん。
俺別にめめを責めたくて会ってるわけやないんやから。
そんなんより聞きたい言葉があんの、気付いてないん?」
そう言ったらもう一回抱きしめられて
「好きだよ。」
「…俺も、好きやで。」
「それは知ってる。」
小さく笑いながらめめの体が離れた。
「じゃあ時間まずいから行くわ。
ちゃんと鍵閉めろよ。
おやすみ、康二。」
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葉子(プロフ) - ゆきのさん» この音声が公開される日はあるのか否か…、ですが、この事務所なら切り貼りしかねないですよねぇ!どうやってこの沼から脱出するのか、誰がその一歩を踏み出すのか、ぜひ見届けていただけたら嬉しいです! (2021年2月6日 22時) (レス) id: f3c5f4857a (このIDを非表示/違反報告)
葉子(プロフ) - かおるさん» この小説で何度目だ!?と突っ込みが来そうな展開で申し訳ありません(汗)相変わらず可哀想なあべさんです…。さくまさん視点更新しますね…! (2021年2月6日 21時) (レス) id: f3c5f4857a (このIDを非表示/違反報告)
葉子(プロフ) - みなみさん» 忘れずにいてくださったことに感謝です…!下書きが最近あまり進まないのですが、こんなに長い丁寧なコメントいただけたので、すごく励みになりました!頑張ります! (2021年2月6日 21時) (レス) id: f3c5f4857a (このIDを非表示/違反報告)
葉子(プロフ) - みなみさん» ーの助けはあると良いですよね。事務所側にも完全に陥れられている状態なので…。さて、mmさんがどう振る舞うか、iwsk、iwfkがどうなるのかは、さすがに愛の権利4で明かしたいところです!後者二つは最近mmab案件で完全に放置しているも同然な扱いですみません…!最早 (2021年2月6日 21時) (レス) id: f3c5f4857a (このIDを非表示/違反報告)
葉子(プロフ) - みなみさん» 文明の進化ってある意味厄介なところありますよね、リアルでも。と、思っている機械音痴な私です…!今までのことも譲るのが1万歩だったことに思わず笑ってしまいました(笑)そんなに譲歩してくださるとはある意味お優しい!(笑)確かにこれだけ泥沼化しているのでメンバ (2021年2月6日 21時) (レス) id: f3c5f4857a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:葉子 | 作成日時:2021年1月17日 0時