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「えっ……と………」
「えっ?日向さん、やろ?」
「うん……」
「日向さん、変わらへんなぁ〜」
「そうかな?」
「おんっ。俺は?」
「変わってないよ」
「え〜っ、そんな事ないやろ?」
スッと私の隣に立ち
「ほらっ。俺のが背ぇ高いやん。あの頃は、日向さんの方が背、高かったもんなぁ」
私を見下ろす彼の顔が、思いの外近くって
「そう、だったっけ?」
思わず目を逸らした
「そぉや。日向さん 今からちょっと時間ある?」
「……うん」
「付き合ってくれる?」
「うん」
「ここ、日向さん住んでた家。そのまんまやろ?」
「ホントだ」
「今は、同級生やった、みっちゃんが住んでんねん」
「へぇ〜」
「結婚して、子どもも2人おんねんて」
「そっかぁ」
「こんなん、聞いてええのかわからへんけど…」
「なに?」
「日向さんは?結婚とか…」
「ないないっ。彼氏すらいないよ」
お付き合いした人は、何人かいた。だけど、誰とも長続きしなかったのは、多分 彼のせい
「そっかぁ、良かったぁ〜」
「えっ?」
「んっ?いやっ、なんもないよ?」
“良かった”っていうのは、私が結婚してないから、彼氏がいないから、良かった…ってこと?
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作者名:ちか | 作成日時:2020年1月4日 23時