・・・ ページ9
『うわぁ〜……キレイ』
『やろ?ちょうど今が見頃やねん』
目の前に広がる、黄色い絨毯
『これって………』
『菜の花。じぃちゃんの畑やねん』
『すごい……』
『クラスの子ぉらは誰も知らへん、秘密の場所』
『そう、なんだ……』
『日向さんに、見せたくて……』
『最後…だから?』
『やっ、そういう訳やないねんけどっ』
『ありがとう。最後に、いい思い出ができた』
『最後やないよっ』
『でも…』
『そら、日向さん引っ越ししたら、会われへんくなるけど、最後やないって、俺は思ってる!』
繋がってた手、これまでにない力で握られて
『俺、Aちゃんのこと、好き…やねん』
吸い込まれそうなくらい、まっすぐな目でそう言われれば
『私も………』
あの時の私には、こう答えるのが精一杯だった
引っ越しの日、たくさんの人が見送りに来てくれたけれど、彼の姿はなかった。
クラスメイトが書いてくれた寄せ書きの中、たった一言
『またな』
それが彼の、最後の言葉だった
69人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「関ジャニ∞」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ちか | 作成日時:2020年1月4日 23時