10章:甘味なるもの、 ページ34
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最近の俺はどうも可笑しい。
しのぶが風邪を引いて一度、寝込んでしまったときからだろうか……
彼女が側に居ないと落ち着かなくて、ろくに十分な睡眠も取れない。
今日日鬼狩りの仕事が無かったことに、酷く安堵する。
今の俺は、雑魚鬼にも殺られかねない。
仕事も無いので、粗末な自室で一人落ち着くため、町では寄り付く女を乱暴に追い払い、戻ると、草の匂い漂う畳に寝転ぶ。
ああ、会いてぇなぁ……
どうしてこうも、あいつが愛おしい。
女なんて山ほど居るのに、俺は、狂おしい程にあいつを独り占めしたくて堪らない。
しのぶ……今日は任務続きで疲れているだろうからな。
無理に俺が会いに行くのも迷惑だろうし。
「腹減ったな……」
そういえばまだ飯食ってなかったな……
思い出して体を起こすと、何食おうか、確かこの間助けた村人から貰った里芋があったはず、と辺りを探る……
と、そのとき。
「あ、れ……Aさん……?」
…………は?
「……………………しの、ぶ」
肩からほわほわと湯気を上げた、火照った肌のしのぶが、驚きを隠せぬ大きな瞳で立ち尽くしていた。
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天霧(プロフ) - うっひょうぅぅぅう!しのぶさん最高ですよ! (2021年11月5日 20時) (レス) id: 29b58b93c0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいな(プロフ) - しのぶちゃんかわいいですよね、、!更新待ってます! (2020年8月12日 22時) (レス) id: ec54d11116 (このIDを非表示/違反報告)
あやめ(プロフ) - めちゃくちゃこの作品好みです!更新お願いします!!!これからもがんばってください!! (2020年5月24日 21時) (レス) id: 2cb5bf810d (このIDを非表示/違反報告)
イツキ - 二人のイチャイチャ楽しみです! (2020年5月10日 12時) (レス) id: a90c8d5aa0 (このIDを非表示/違反報告)
剣華 - いつもニヤニヤしながら見させてもらってます。ほんと好きです!次の更新も楽しみにしてます!がんばってください。 (2020年5月7日 12時) (レス) id: e2d859c4ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たつき | 作成日時:2020年3月30日 7時