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8章:過去なるもの、 ページ23







「しのぶったら、まだ戻って来なくって……一体何をしているのかしら」

「しの、ぶ……?」

「あら、言ってなかったかしら?私の妹よ。大切で大切でしょうがない、可愛い妹」

「初めて聞いた……妹が居たのか」



ゆったりと笑む、胡蝶カナエという女は、当時、同じく柱で年も近く、ほぼ同期のようなもので、何かと関わりのある奴だった。

元々、言うこと全てがふわふわとしていて、いまいち掴めない奴だったが、妹が居るなんて大切なことを、今日の今日まで言わずにいたとは。



「可愛くて、可愛くて、どうしようもない子よ……だからこそ、心配なの」



胡蝶は、恐らく、個々の趣味はともかくとして、誰もが美人だといえる部類の女だろう。

そりゃ、妹も似て、こんな風にゆったりした奴なんだろうと思い、相槌を打つ。



「どっかで口説かれてるかもな……断れずによ」

「あら?しのぶは割りとパリッと断る子なのよ?」



胡蝶は、「私と違って、テキパキとしていてね?やることなすこと完璧なの〜」と、嬉しそうに笑う。

なるほど……だから『心配』か。



「そんなしっかりした奴がなんでって話だろ?わかった、任務ついでに見てきてやるよ」

「まぁ、ありがとう!今から親方様にお呼ばれの用事があるから、助かるわ!」



胡蝶は「しのぶのことは、きっと直ぐにわかるわ。私に似ているけれど、キリッとした顔つきなの」と言いながら、俺に銭を持たせる。

……なんだ、これは。

俺の疑問を汲み取ったように、胡蝶はクスリと微笑んだ。



「見つけたら、一緒に美味しいものでも食べてきて。きっと仲良くなれるわ!」



胡蝶の、キリッと版、なぁ……

いくら考えても、仲良くなれそうにない気がする。

持たされた銭と、去っていく胡蝶のなびく羽織を見比べながら、暫くして俺も席を立ち、町へと向かう_____





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天霧(プロフ) - うっひょうぅぅぅう!しのぶさん最高ですよ! (2021年11月5日 20時) (レス) id: 29b58b93c0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいな(プロフ) - しのぶちゃんかわいいですよね、、!更新待ってます! (2020年8月12日 22時) (レス) id: ec54d11116 (このIDを非表示/違反報告)
あやめ(プロフ) - めちゃくちゃこの作品好みです!更新お願いします!!!これからもがんばってください!! (2020年5月24日 21時) (レス) id: 2cb5bf810d (このIDを非表示/違反報告)
イツキ - 二人のイチャイチャ楽しみです! (2020年5月10日 12時) (レス) id: a90c8d5aa0 (このIDを非表示/違反報告)
剣華 - いつもニヤニヤしながら見させてもらってます。ほんと好きです!次の更新も楽しみにしてます!がんばってください。 (2020年5月7日 12時) (レス) id: e2d859c4ec (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たつき | 作成日時:2020年3月30日 7時

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