不道徳な ひと【緑】vol.2

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「ヤス、最近どぉよ？」


「うん？全て順調♪」

こっちに帰ってきてから、絵画教室を開いたヤス

あいつには、高校生よりも小さい子相手の方が合うてるみたいで、毎日 小学生や幼稚園児相手に、ワァーキャー言いながらも、とても楽しそう



「大倉は？」


「俺は、やっと終わった〜って感じ」


2年間は、担任は持たずにきたけど

『大倉先生、久しぶりにどうですか？』

と、校長先生に言われて、2年生の担任に


「3年生を担任した時よりは楽やったけど、やっぱ大変やったかな？」


「んで？来年は？」


「来年はセーフ」


「そっかぁ。それはお疲れ様でした」


「そっちは？中西さん、先生一年目、どぉやったん？」


「毎日、疲れた〜言うてたけど、大変とかしんどいとか、言わへんねん。ホント頑張り屋さんで、頭が下がるわ」


「中西さんにとって、先生は天職やねんの、きっと」


「せやね」


「ヤスはさ。仕事辞めて良かったって、思ってる？」


「何よ、藪から棒に」


「ほら。高校教師やったらさ、将来の心配せんでもええやん？でも、全部捨てて新しい道に進んだわけやん？」


「うん」


「どうやったんかな？って。やっぱ、大変やったん？」


「う〜ん。僕は自分から決めた事やし、ありがたい事に、周りにも恵まれて、全てが良い方に転がってったからなぁ。大変ではなかったよ？」


「そっか……」


「何？大倉も転職 考えてんの？」


「やっ、そぉではないねんけど…」



今すぐ……とは思ってない

けど、沼田さんのこと見てたら、昔の夢 もう一度追いかけてみたい…と思ったのは事実


「もっかい、料理の勉強 始めてみようかな？思って…」


「ええやんかっ。僕、試食係ならなんぼでもやってるよ？」


「ええって。ヤスは、中西さんに作ってもらいっ」

口では、そんなこと言うたけど


「えぇ〜っ、大倉の手料理、食べたいやんかぁ」

一人で作って食べるより、誰かのために作る方が、モチベーションも上がるわけで


「ヤス、今日 ヒマ？」

中西さんには申し訳ないけど、ヤスを呼び抱くことが日に日に増えていった

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