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「A、エプロン」
「へっ?」
「ロッカーに、エプロンの余り あるだろ?」
「うん。あるけど……」
真剣な顔の まぁくん
「大倉さん、この後 お時間ありますか?」
「はい、大丈夫ですけど」
「今から、明日の仕込みがあるんですけど、お手伝いいただけますか?」
「ちょっ、まぁくんっ」
「何?」
「そんな、先生に仕込みの手伝いなんて…」
「けど。調理師免許持ってるからって、普段 料理してる訳じゃ無いんだし。こっちも、戦力にならない人に手伝ってもらっても、意味ないだろ?だったら一度、実力見せてもらわないと…」
「でも…」
先生に仕込みの手伝いなんて、申し訳ないって思ってたけど
「佐久間さん。手伝わせて下さい。よろしくお願いします」
そう言った、大倉先生の顔もまた真剣で、まぁくんとの間に、なんとも言えない空気が流れていた
「A、早くエプロン」
「あっ、はいっ」
慌ててエプロンを持ち、厨房へ
「先生、あの…頑張って下さい」
「おん、ありがとう」
先生のエプロン姿なんて、高校以来
「じゃあ、これは皮をむいて千切り、こっちはみじん切り、お願いします」
「はい」
「A、お前もそっち手伝って」
「はいっ」
まさか、大倉先生と並んで包丁を待つ日が来るなんて、思ってもみなかった
隣から聞こえる、テンポの良い包丁の音
恐る恐る横を向くと、どんどんと刻まれていく野菜達
そういえば、大倉先生が包丁握ってるところ、学校では殆ど見た事なかったかも
「先生……」
「ぅん?」
「……上手」
ついつい漏れた 心の声
「そら、まぁ。一応 先生やし?」
包丁の動きが止まって、今まで下を向いていた顔が、こちらに向けられて、フワリと微笑まれたら
「…………っ」
先生の顔 直視できなくて、思わず俯いた
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ちか(プロフ) - こあさん» こあさん、コメありがとうございます。少し前に完結したお話ですが、読んで頂けて嬉しいです。他作品も読んで頂いてるなんて…本当に嬉しい限り。更新頻度が格段に落ちているので、こあさんに追いつかれちゃうかも^^;これからもお付き合い下さいね☆ (2020年3月23日 9時) (レス) id: f6bee9926e (このIDを非表示/違反報告)
こあ(プロフ) - 本当にちょっとずつ、ちょっとずつ読みました!なんだかんだ想いを抱え続ける二人にやきもきしつつ…立派な大人になって(ノд<)感慨深いです。他の作品もちょっとずつ読んでます。更新ありがとうございます! (2020年3月23日 2時) (レス) id: 2691bf805d (このIDを非表示/違反報告)
ちか(プロフ) - みけねこさん» みけねこさん、こちらこそ最後までありがとうございました。青さんからだと、約9ヶ月。ホントお待たせ致しました(^^;みけねこさんの心休まる場になれているのならば、嬉しいです(≧∇≦)今後とも、よろしくお願いします☆ (2019年10月8日 21時) (レス) id: 5932badb58 (このIDを非表示/違反報告)
ちか(プロフ) - 5050さん» 5050さん、初めまして^ ^このお話、好きと言って頂けて嬉しいです。実は、続き…とは言えませんが、3組のその後を少しだけUPするつもりでした。でも、色々あって無理だったぁ。2人のその後は5050さんにお任せ致します(^o^)最後までありがとうございました☆ (2019年10月8日 21時) (レス) id: 5932badb58 (このIDを非表示/違反報告)
みけねこ(プロフ) - 完結まで、ありがとうございました。このシリーズ楽しくて、更新されるのが楽しみでした。本当にいろいろな事がありすぎて困惑してますが、お話読ませてもらって心落ち着かせてます。次のお話も楽しみにしてます。 (2019年10月8日 2時) (レス) id: 5ac0d2c424 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちか | 作成日時:2019年8月1日 9時