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ウソ…でしょ?
まさか、あの人がこんなところに、いるわけがない。恐る恐る顔を上げたら
「大……倉センセ?」
目を大きく見開いて、驚いた表情の先生が、そこにいて
「沼……田さん?」
“沼田さん”なんて呼ばれたの、いつぶりだろう……
「久しぶり、やね。元気やった?」
その笑顔は、私が知ってるそれとは変わっていたけれど、どこか優しくて、温かくて
「はい。先生もお元気そうで……」
「まぁな。元気だけが取り柄やからなぁ〜」
「ふふっ、良かった」
「うん?なにが?」
「先生、全然変わってない」
「そぉか?あれからもう5年やろ?もうええオッさんやで?」
「そんな事ないですよ」
「イヤ、あんな風にはもう走られへんし…」
「………リレー?」
「おん」
「でも、選手でしょ?」
「……去年もアンカーで、1位とったった」
「凄いじゃないですか、やっぱり先生、変わってない」
「沼田さんも、全然変わってへんよ?」
「……まだまだ“子ども”って事ですか?」
自分では、少しは大人になったつもりで居たんだけど……な
「そぉやなくて、あの頃みたいに 話しやすいし、頑張ってるみたいやし」
「そう、ですか?」
「おん。見た目は、えらいべっぴんさんになってるし、一瞬 わからへんかったもん。この綺麗なお姉さん、誰やろ?って」
「先生、褒めても何も出ませんよ?」
「……はっ。俺 何言うてんねやろっ」
「ところで 先生、今日はどうしてここの店に…」
「あぁっ!ヤスに誘われてん」
「安田先生?」
「そう。昼飯食いに行こうって向こうから誘ってきたんに、ドタキャンされて…でも、今日 ここ来て良かったわ」
「…………?」
「沼田さんにも会えたし、その上 お手製のカレーまで食べられたし」
「…………っ」
大倉先生にこんな事言われたら、調子 狂うな
「そういえば、先生 聞きました?安田先生と美菜が結婚するって話」
「知ってる 知ってる。でも、1番に聞いたんは、沼田さんと錦戸くんらしいで?」
「そうなんですかっ?」
「そう。俺なんかどうせ、3番目わや…」
ちょっぴり拗ねてる先生が、可愛いなと思っていたら
「そぉいや、ここでパーティーするんやろ?あの2人」
「あっ、はい」
「あの…さ?突然でアレなんやけど…、それ、俺にも手伝わせてくれへんかな?」
「えっ…と」
突然の再会、突然の申し出に、なかなか頭が働かない
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ちか(プロフ) - こあさん» こあさん、コメありがとうございます。少し前に完結したお話ですが、読んで頂けて嬉しいです。他作品も読んで頂いてるなんて…本当に嬉しい限り。更新頻度が格段に落ちているので、こあさんに追いつかれちゃうかも^^;これからもお付き合い下さいね☆ (2020年3月23日 9時) (レス) id: f6bee9926e (このIDを非表示/違反報告)
こあ(プロフ) - 本当にちょっとずつ、ちょっとずつ読みました!なんだかんだ想いを抱え続ける二人にやきもきしつつ…立派な大人になって(ノд<)感慨深いです。他の作品もちょっとずつ読んでます。更新ありがとうございます! (2020年3月23日 2時) (レス) id: 2691bf805d (このIDを非表示/違反報告)
ちか(プロフ) - みけねこさん» みけねこさん、こちらこそ最後までありがとうございました。青さんからだと、約9ヶ月。ホントお待たせ致しました(^^;みけねこさんの心休まる場になれているのならば、嬉しいです(≧∇≦)今後とも、よろしくお願いします☆ (2019年10月8日 21時) (レス) id: 5932badb58 (このIDを非表示/違反報告)
ちか(プロフ) - 5050さん» 5050さん、初めまして^ ^このお話、好きと言って頂けて嬉しいです。実は、続き…とは言えませんが、3組のその後を少しだけUPするつもりでした。でも、色々あって無理だったぁ。2人のその後は5050さんにお任せ致します(^o^)最後までありがとうございました☆ (2019年10月8日 21時) (レス) id: 5932badb58 (このIDを非表示/違反報告)
みけねこ(プロフ) - 完結まで、ありがとうございました。このシリーズ楽しくて、更新されるのが楽しみでした。本当にいろいろな事がありすぎて困惑してますが、お話読ませてもらって心落ち着かせてます。次のお話も楽しみにしてます。 (2019年10月8日 2時) (レス) id: 5ac0d2c424 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちか | 作成日時:2019年8月1日 9時