不道徳な ひと【緑】vol.2

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「僕の仕事も順調やし、彼女も就職して3年目やしな」


「そっか」


「はよ、両親に孫の顏も見せたりたいし」


「……うん」


「特に、美菜のご両親にはな。色々迷惑かけたし。今、すっごく幸せです。ってとこ、見てもらいないな、って思って」


「せやね」

ヤスと中西さんのことがウワサになって、高3で彼女の担任になった時、心配で、ご両親と面談したことがあった


『うちの娘に、やましい点があったなんて、思っていません。こうして、自分夢に向かって真っ直ぐ娘が進んでいるのは、安田先生のおかげだと思っています。文句どころか、感謝しています』

そう言われて、自分の事のように嬉しかったのを今でも覚えてる


「で？式場とか、そういうのは？もう決まってんの？」


「う〜ん、まだ決まってへんのやけど、式は身内だけでして、後日 親しい人だけ呼んで、お披露目パーティー？みたいのしようか？とは話してる」


「へぇ〜、ええやんか。やっと……やね」


「うん。やっと……やね」


「俺で力になれる事があったら、何でも言うてな？」


「おんっ。…あっ。ほんならさ、早速なんやけど」


「んっ？何？」


「実は、その“お披露目パーティー”する店、もう決まってて…」


「そうなん？」


「うん。でな？大倉の感想 聞かせてほしい 思って。今度の土曜日、ランチ どう？」


「でも、もう決定なんやろ？」


「そうなんやけど。そこのオーナーさん、めっちゃいい人でな？“今度、友達と一緒に来ます”言うてもぉたもん。オススメはカレーなんやって。んなっ？ええやろ？一緒に行こうやぁ〜」

珍しくグイグイ誘ってくるヤス。特に断る理由もなくて

「別に、ええよ？」

と、快諾


今週の土曜日のランチに行く約束を交わし、その日はお開き



その週は、幸せな気分のまま土曜日を迎え、最寄駅に向かっていると

『ゴメン、大倉っ！急な予定が入って、今日 行かれへん様になった』

これまた、珍しくヤスからのドタキャンメール


“ほんなら、今度にしよか？”

そう返信しようとしたら、それを遮るように


『これ、お店の住所と地図。
あ〜ぁ、俺もカレー食いたかったなぁ。、また感想 聞かせてな』

こう送られて来て

別に、店に一人で入ることに抵抗はないし、もう昼はカレーの気分になってもぉてるし


『わかった。一人で行ってくる。貸し1やからな』


『おん。ごゆっくりどうぞ』

ヤスからの何やよくわからへんメールを受け取り、電車に乗って目的地を目指す

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