不道徳な ひと【緑】vol.2

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「そっかぁ〜、いいなぁ 幸せそうで」


「……ぬまっちゃんは？」


「私？私は、別れたよ？東くんとは…」


「そっか…それ、やっぱり……大倉先生？」


「………うん。そう、だね」



「会いに、行ったら？」


「ううん。それは、しない」


「どうして？」


「きっと、先生は私にももう会いたくないって、思ってると思う」


「どうして？そんな事ないと思うけど…」


「ん〜ん、、そうなの」


「大倉先生と、何かあった？」


「……………」


「ぬまっちゃん、急に大倉先生のこと諦めるって言い出した時、なんかおかしいなって、思ったの」


「あの…ね？実は…。大倉先生に、キスされそうになったの」


「………えぇっ⁈」


「大倉先生、良くないウワサあったけどさ、私 信じてたんだよね。でも、いきなり迫られて、ショックだった」


「うん……」


「それに、西崎先生と付き合ってたのに…だよ？それって、どうなの？って感じ」


「あぁ、あのウワサ……でも、あの2人付き合ってなかったらしいよ」


「そうなの？」


「うん。錦戸くんが、西崎先生から直接聞いたって言ってたから、間違いないと思う」


「そう…なんだ」



『俺はっ。西崎先生から聞いてへんしっ。そんなん、認めへんしっ！』

噂はウワサだと、頑として認めず、西崎先生のことを信じ続けた錦戸

あいつは、ちゃんと先生になって、西崎先生を迎えに行くはず

彼には、その資格がある


でも、私は……

大倉先生の、曖昧な言葉に不安になって、違う人になびいてしまった



「大倉先生、ぬまっちゃんのこと、気にしてるんじゃないかな？」


「なんで？」


「ほら。ぬまっちゃん、進路変更した時、すっごく真剣に相談に乗ってくれてたし、合格した時も、まるで自分のことのように、喜んでくれてたでしょ？」


「でもさ？……やっぱり、会いには行けないや」



先生の事、信じきれなかった私には、会いに行く資格なんて ない

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